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春を背負って (文春文庫 さ 41-4)

春を背負って (文春文庫 さ 41-4)

春を背負って (文春文庫 さ 41-4)

作家
笹本稜平
出版社
文藝春秋
発売日
2014-03-07
ISBN
9784167900472
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春を背負って (文春文庫 さ 41-4) / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

自分の中で「山岳ブーム」が発生し、手にとり映像化もされている作品なので、登場人物のイメージがしやすく、読みやすかったです。舞台は『山小屋』を中心に様々な人々との出会いから始まり、やはりテーマは'生と死'でした。人にはそれぞれ抱えている様々な'事情'があり、他人では理解できないし、ある意味するべきではない事情もあるのかなと。自ら積極的に手を差し伸べるコトが決して全てにおいてベストとは限らず、時と場合、相手によってはひたすら見守り続けるコトも選択肢の1つなのかもしれません。ココロがポカポカする作品でした。

2018/02/14

seacalf

山を愛する人でないと書けない文章がそこかしこにひそんでいて、味わい深い小説だと思った。奥秩父と秩父は位置的に全然違うことを初めて知って恥ずかしい。歩荷の大変さや登山道の整備など山小屋経営の裏側も知れて楽しい。ゴロさんは魅力的だけど、生粋の山男と違うので饒舌過ぎ。みんなが夢中になる美由紀の料理レシピが曖昧で詰めが甘い。話が出来過ぎていたり間延びした展開でやや単調に感じたりと、言い出したら切りがないが、そういう無粋なことは言わずとも峻烈な自然と山に魅せられた人々の味わいある小説として胸に残る作品。

2022/10/12

hiro

初笹本稜平作品。6編の連作短編集。6月に映画が公開されるということで原作を読みたくなり、北アルプスや八ヶ岳ではなく、地味な奥秩父の山小屋が舞台ということも気に入って購入した。しかし、読み出した後に映画の予告編をみて、映画の舞台は立山連峰になっていたのには驚いた。冒頭の主人公亨と悟郎の出会いまでの説明にモタモタしたことと、それぞれの話が都合よくでき過ぎと感じるところはあるが、山岳小説、山小屋のお仕事小説、そして亨の成長譚と、一つ粒で何度も美味しい作品で、『花泥棒』からは一気に読んだ。続編を期待したい。

2014/04/27

ナイスネイチャ

図書館本。仕事に挫折した主人公長嶺亨が山小屋を経営していた父の死をきっかけに脱サラし跡を継いで周りに助けながら営んでいく短編連作集。心の持ちようで幸せになる。山を通じて生と死む向き合って人が成長していく。特に「擬似好天」が良かった。映画も見てみたいです。

2014/11/23

Nao Funasoko

先に読んだ北村薫作品の影響でもう少し山の話を読みたいと思いしばらくご無沙汰してた笹本稜平を久しぶりに手に取る。笹本作品は初期の冒険小説系やヒマラヤを舞台にしたガチな山岳小説以来だ。北村の「八月の六日間」が"山へ行き下界へ戻る人"の物語であったのに対し、笹本稜平の本作は"山で迎える人々"の1シーズンの物語。 山の厳しさが人の優しさと柔らかさを引き立てる。ホント、人はいろんなもを背負ってるんだよな。"背負って"の部分があったから、今読みたいと思ったのかもしれない。

2018/08/11

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