新装版 霊長類ヒト科動物図鑑 (文春文庫) (文春文庫 む 1-26)
新装版 霊長類ヒト科動物図鑑 (文春文庫) (文春文庫 む 1-26) / 感想・レビュー
ふう
おっちょこちょいで虫嫌い、数字に弱いという、より普段着に近い作者と周りにいる人たちが描かれた図鑑です。標識の性格欄には 『 平凡だけど味わい深く、ちょっと強気だけど素直で可愛らしい。 骨太で凛としている。』と書かれていそうです。旅先でお父さんを亡くした悲しみが急に襲ってきた話に、その人柄がはっきりと顕れているようでした。 「ヒコーキ」の章では、楽しい内容なのに、この心配が何年後かには、と思うと心が痛みました。
2014/09/05
優希
向田さんは日常から非日常をすくい出すのが巧いなと思います。今読んでも味わい深く、これを昭和に書かれたかと思うと驚かされますね。飛行機事故で亡くなったのが悔やまれます。もっと彼女の文章を読みたいので。
2020/08/02
ユメ
冒頭の「豆腐」というエッセイは、年の瀬にぴったりであったと嬉しくなった。うまくゆかなかった日を崩れた豆腐に、よいことのあった日を角の立った豆腐とした向田さんの目線がとても好きである。自身は淡白で、様々な味の染み込む豆腐。それは、私にとっての向田さんのエッセイと近いかもしれない。サラサラとした感傷。それが、私が彼女の文章を読むときに伴うものである。あれこれに思いをめぐらせながらも湿り気を帯びてこないのは、私と彼女の生きた時代が重ならないからかもしれないが、それでも、私は不思議と向田さんを近くに感じるのだ。
2015/12/13
コジ
★★★★☆ 脚本家であり、直木賞作家でもある向田邦子のエッセイ集。著者の日々あれこれや幼少期の家族や自身の思い出などが綴られている。数ある著者のエッセイ集の中でも本書はオッチョコチョイなエピソードが多いように思われ、まるで「サザエさん」を活字で読んでいるような気持ちで読める。ただ、収録数が多いので途中で食傷気味になったが、放り投げずに最後まで読めた。そんなほっこりとした随筆が数多く収められた中で「ヒコーキ」だけは、著者の後の運命が脳裏に浮かび、切ない気持ちになってしまった。
2016/02/27
ごへいもち
クスクス笑ったり、なるほどねーと思ったり。でもやっぱり飛行機✈️への不安感は残念ながら当たっていたんだなぁ。合掌
2021/12/04
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