見出された恋 「金閣寺」への船出 (文春文庫 い 75-3)
見出された恋 「金閣寺」への船出 (文春文庫 い 75-3) / 感想・レビュー
安南
三島由紀夫、若き日の恋を描く。鏡花かと思うようなゆかしい語り。明治生まれの作家のようだが、実際は1961年生まれ。元新橋演舞場企画室長。持ち前の人柄と人脈からこの恋物語が書かれることになったのだろう。美しい日本語に酔いしれた。三島に興味がなくても、しばい(歌舞伎)と花柳界、着物に興味があれば存分に楽しめる。寧ろ、ここでの三島は影が薄い。まるでヒロインの引き立て役だ。3年間ほぼ毎日違う意匠の着物を着て逢引したというヒロイン。それだけに着物の描写は垂涎もの。身悶えしてしまう程だ。
2014/09/13
しびぞう
濃い!濃いわ!特に冒頭!ひょっとしたら三島の「春の雪」を意識しての書き出しだったのだろうか。狭い紙面に散りばめどころかぎっしりと詰め込まれた絢爛豪華な単語達は圧巻だった。
2017/04/19
Noelle
確かにね、この本を読めば、皆さんが小説ではなく実録を読みたいと思うのも無理はない。隔靴掻痒の思いに誰しもかられることだろう。で、「ヒタメン」な訳ですね。逆の順で読んだので、改めて「ヒタメン」も読みたくなった。若き三島がこんなにも美しい恋をしていて良かったなあと、しみじみ思う。それがちゃんと小説にいかされているのだから。それは、時代下った今の私たちにとっても三島作品を堪能できる幸福であるのだから。
2014/09/30
Gon太
面白かった。待合せ場所と時間を名刺の裏に書いて渡す。うっとりしてしまった。岩下さんも綺麗な美しい言葉を使われるなぁ。
2017/05/30
Crystal.B
かつて初期の三島文学の美し(すぎる)い日本語には瞠目したものでした。こんな恋があったとは・・・美智子様とお見合いめいた邂逅があったことはなんとなく知っていましたが、ある意味こういう「こなれた」女性が本来の好みだったのかもしれないなと納得しました。生き方といい、最期といい、明らかにM要素満載なのですが、タカビー女が好きだったのは「やっぱりね〜!」です。こういう三島、嫌いじゃありませんが^^;TVで観る著者ハコちゃんは更にインテリになったおすぎというイメージでしたが、文才あるのね、違った意味で見直しました。
2015/05/11
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