ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる (文春文庫 ル 5-2)
ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる (文春文庫 ル 5-2) / 感想・レビュー
マエダ
ドイツ人のスカトロジーのくだりが印象的であり、ヒトラーをも巻き込んでいる。本書は著者が財政破綻した欧州国家をまわり、金融関係者や官僚などインタビューし財政破綻の真相を追究している。同じヨーロッパでもお国柄なのか財政破綻時に対する関係者の対応やその後の国民の生活等も全く違うのが面白い。
2016/01/06
HANA
歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。ここに書かれている熱狂と全てが終わった後の空虚な寂寥感はかつて我が国でもあった事なんだよなあ。サブプライムローンに端を発する世界同時不況で、それまでバブルに踊っていた国がどのような末路を辿ったのか、アイスランド、ギリシャ、アイルランド、ドイツを例にして読み解いている。ギリシャ以外はニュースにもあまりなる事がなく、今回実態を知って驚かされた。あと経済が主題といっても小難しい経済学用語はあまり使われておらず、破綻に際した際の群像劇としても読む事が出来た。
2014/11/25
harass
『マネーボール』で有名な著者による金融ルポもの。サブプライム問題後の破綻したギリシャ、アイスランド、アイルランドを取材している。また、ドイツやカルフォルニアも挙げてあり、サブプライム問題後の余波や地方財政の危機についても関係者の話をまとめている。どうしてこんな事態になったのかを探っているが各国の国民性の話が妙におかしい。この著者独特の語り口のせいだろうが吹き出すかめまいがする。ギリシャのことは日本でもよく知られているがアイスランドのことは強烈だ。この著者の他の作品に比べると強くはすすめないが楽しめる。
2015/12/20
佐島楓
アイスランド、ギリシャ、アイルランドなど、金融破綻した国々とそのほかの国についての経済的考察。サブプライムローンが端緒に過ぎなかったこと、著者がアメリカにおいても経済破綻の危機感を強めていることはわかったが、差別的ととられても致し方ない表現が多く、閉口した。
2014/11/07
ライアン
ギリシャにモラルなんてアッテネーもんだとしょうもないことを言いたくなるくらいどこもひどい。まさに「赤信号皆で渡れば怖くない」で集団心理とは恐ろしいもんだ。正しくないことが行われても是正する力が全く働かない・・・。アーノルド・シュワルツネッガーは州知事としてもカッコ良かった。でも理想論はやっぱり集団心理には勝てなかったか
2015/07/25
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