異国のおじさんを伴う (文春文庫 も 20-7)
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異国のおじさんを伴う (文春文庫 も 20-7) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
10篇の掌編小説からなる作品集。表題に選ばれた1篇も、とぼけた味わいのタイトルなのだが、いずれもがリアリズムの範疇にとどまりながらも、どこか1線でハメを外した作品群である。掌編ということもあって、全体としては軽みを信条としており、その意味では『風に舞いあがるビニールシート』が持っていたような"哀傷"のようなものはない。まあ、これはこれとして楽しむべきものであろう。いずれの1篇をとるかは分かれそうだ。私は「竜宮」か「ぴろり」、あるいは表題作といったあたりだろうか。
2019/01/10
さてさて
10の短編から構成されたこの作品。森さんの短編は、ふっと肩の力が抜けるようなフワフワした印象の作品が特徴ですが、身近な舞台から外国、そしてまさかのファンタジー世界まで多種多様な短編が集まるこの作品。そこで展開する物語は、何かにこだわりを見せる人たちの日常に繰り広げられる些細な出来事に光を当てていく物語。何のことはない普通の日常のそこかしこに転がっている些細な事ごと。そんな日常を短く切り取りドラマを描いていく森さん。短いながらも鮮やかなオチで締め括る短編ならではの味わいを存分に感じさせていただきました。
2020/12/23
おかむー
ただただこのタイトルにココロのどこかを鷲掴みにされてしまった初の森絵都作品。『よくできました』。名前には見覚えがあったものの、直木賞を取ってることは解説読むまで知らなかったよ。表題作を含む10の短編はどの作品も全体に漂うユーモラスな空気と、柔らかに滲む様々な形の“愛”ほどの激しさはない“情”がとても微笑ましい。激しく心を揺さぶられることはないけれど、ちょっと疲れたり肩が凝ってる気分をほぐすのにオススメの作品。表題作をはじめどの作品も甲乙つけがたいが、『夜の空隙を埋める』は暖かい文学として特に秀逸。
2014/10/11
さおり
前半は、もう少ししつこくしておくれよ、と思い、後半は、もう少しあっさり突き放してくれてもいいのに、と思った。つまり、わがままなんだね、今の私。あ、いつもか。文句言っといてなんですが、おもしろかったです。森絵都さんの文章、結構好きなんです。
2014/11/28
えりこんぐ
お出かけのお供に森さんの短編✨ さらっと読みやすいのに予測のつかない展開、ふふっと笑ってしまう描写が上手いなぁと思う。『藤巻さんの道』の様に、より現実に近いものの方が好きかな。【積読76】
2020/09/02
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