楽天道 (文春文庫 さ 18-25)
楽天道 (文春文庫 さ 18-25) / 感想・レビュー
パフちゃん@かのん変更
これは文庫本だが、単行本で4年前に登録していたのだった。著者が50代60代の頃の作品で、何やらあちこち体調が悪かった時期らしい。仕事も随分断ったらしい。それでも、声が大きくて歩くのが早くて出されたものは残さず食べるから元気だとみられるらしい。一日中座って仕事をしているのに、歩くのが早いってなんでだろう。思うに,著者はせっかちだから家の中でも思いついたことはすぐにやってしまうから自然と足も鍛えられるのだろうか。大声とせっかちは父親似らしい。もう90代だがお元気でいてもらいたい。
2021/03/17
りずみぃ
私が物心ついた頃から佐藤愛子さんは変わっていない。森光子さんが優しい「お母さん」の象徴なら、佐藤愛子さんは「お母ちゃん」キャラ。頑固で怒りっぽくて、勿体ないが口癖で‥‥でも最後の最後では味方になってくれる感じ。ブレない人は見ていて気持ち良いもの。ひたすらまっすぐ直球勝負の50代60代の頃のエッセイ集。
2018/03/06
tonpie
(本文引用) 私が敬慕する大詩人吉田一穂先生は、何かというと馬鹿野郎呼ばわりをする人だった。はじめて先生を訪れた時、私は「女にものは書けないよ」といわれてドギモを抜かれた。 「いつも自分を正しいと思っている奴に、ものが書けるわけがないんだ…」 その言葉は私の中に雷鳴のように響き渡り、私は稲妻に串刺しにされた思いだった。以来、私は先生の罵言をどれだけ聞いたかもしれない。それは激しく、情熱的で、ムチャクチャだった。(魅力ある人 p165)
2022/10/18
kaoriction@感想は気まぐれに
遠藤周作との関係性、かけ合い、やり取り が可笑しくて、面白くて、ツボ。声をあげて笑ってしまった。島本理生を平行読みしていて、極めてナイーブな、真剣、深刻な場面でタイムリーに「遠藤周作」が出てきて、主人公の女性ととある男性が遠藤作品について真面目に語るのだが、佐藤愛子とのやり取りが思い起こされ、吹いてしまった。全くそんな場面ではないし笑いの要素なんてないのに。それくらい、島本理生が吹っ飛ぶくらい、強烈な佐藤愛子、なのだ。まだ若き日の佐藤愛子だが、毒舌は健在。裏に潜む優しさもあり。息抜き、人生のサプリメント。
2020/12/22
紫羊
佐藤愛子さんの楽天主義は養老孟司さんの本でも取り上げられていた。平穏時ならともかく、自分の身に不幸が降りかかってきた時に楽天道を貫くのは難しい。しかし何という痛快さ。ぜひ見習いたい。
2022/04/10
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