ほむら (文春文庫 あ 3-9)
ほむら (文春文庫 あ 3-9) / 感想・レビュー
たぬ
☆4 有吉氏6冊目、作者20代の時の8編。相変わらず戯曲の面白さは理解しきれない私だけど小説7編は楽しめた。魂を削ると言おうか鬼気迫ると言おうか、どの話の登場人物も生き様が濃ゆくて若干の読み疲れはあったかもしれない。特に「紫絵」の白滋、「第八戒」の華鶴にそれを強く感じた。
2021/08/26
penguin-blue
その昔「華岡青洲の妻」を読んだ時の鮮烈なショックは忘れられない。「恍惚の人」「複合汚染」「非色」等、重たいテーマを人に先んじて主題とし、でも小説はどれもテーマに負けずに「人が生きている」ことが本当にすごいと思う。この本は主に20代の時代物の作品を集めた短編集だが、どれも色合いが違い、本当に粒ぞろいでページ数以上の満足感。特に切支丹でもないのに踏絵が踏めなかった遊女の話「第八戒」は遠藤周作の「沈黙」が話題になっている今読むと非常に印象深い。
2017/03/20
ken_sakura
よく切れる包丁のような8編の短編集(^_^)あの世から新作を出版する方法は無いのかしら?と希うと同時に、生き返って欲しいとは思わない何かを感じる有吉佐和子の初期の作品(とてもほめてます♪( ´▽`))どの短編も感じが強く、良かった。強いて、主人公お勢が好きなので「「薬湯便覧」由来」が一番好き。
2017/04/14
那由多
表題作の『ほむら』よく分からず、人生の修行不足を痛感した。『落陽』王昭君の肖像画エピソードにこんな味付けをするなんてゾクゾクする。
2024/05/30
蛇の婿
有吉佐和子の時代小説短篇集。『千姫桜』『「薬湯便覧」由来』『第八戒』が好きです。なかでも『千姫桜』が非常にわかりやすいw 千姫様、私に言わせれば、それは王者の悲哀なのではありません、単にあなたに人徳と男を見る眼が無いだけなんじゃないのかなぁw 表題作の『ほむら』だけはいまいち実感できませんでしたが、それは私が男だからなのかな?何を書きたかったのかはなんとなくわかるのですが、ピンときません。…「まよ」ちゃんは多分そのまま「迷い」ですよねこれ…うーむw
2015/07/08
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