コンカツ? (文春文庫 い 47-32)
コンカツ? (文春文庫 い 47-32) / 感想・レビュー
相田うえお
★★★☆☆19015 【脱線話】 テーブルに座り、小さなすり鉢に白胡麻を入れてゆっくりと磨り潰し、静かに時を待つ。胡麻のいい香りが漂う。いつしか運ばれてきた平たい大きな皿。その皿の上には半月状の油切り用盛り付け網がのっていて、その横にはキャベツの千切りが溢れんばかりに盛ってある。でも、そいつは脇役、主役は網の上にあるキツネ色のやつ。先ほど磨り潰した胡麻と黒ダレを合わせた中にキツネ色のやつを泳がせてから口に運ぶ。「ん〜、んまい!このサクサク感が堪らない!」美味いよねトンカツ。あっ、この作品は『コンカツ?』
2019/02/03
優希
面白かったです。婚活をエンタメにしているのがツボでした。下手したら悩みにもなりがちな婚活を爽やかに描いているのが良かったです。理想の結婚を目指して合コンするとか、自分の世代にはなかっただけに何だか新鮮でした。結末も幸せいっぱいなのが気持ちいいですね。自由に恋愛を楽しみながらの婚活なので結構リア充かもとは思いますけど。
2016/04/23
☆ゆう☆
シェアハウスで暮らすアラサー四人のコンカツ話。結婚への憧れと焦りもよく分かるし、恋愛と結婚は別だとか、相性だとか身のつまる作品だった。少し前までは結婚は恋愛の延長線上にあるものだ、と堂々と言えてたはずなのに笑。「できないものはできない。好きなものは好き。それがはっきりしてくるのが三十代だろう。」たしかに色々考えたところでどうにもならないことがほとんど。あまり身構えずにその一瞬を愉しむ三十代を送りたいと思う。大人らしく、女らしく、でも自分らしく。見限るよりも積み重ねることが価値となるように。(iBooks)
2015/04/30
じいじ
石田さんらしい、とても温かみを感じる小説でした。主人公は結婚に無関心ではないが、独身生活を謳歌するキャリアウーマンの智香・29歳。その智香に突然の危機が舞い込みました。両親が突然「熟年離婚」をする、と言い出します。双方の間に立った、娘の鮮やかな大岡裁きはお見事。常々わたしは、小説にしろ現実においても「離婚」の原因の比重は「男」側にある、と思っていますが…。この小説の場合は、父親の結婚観に賛同して、7:3で男に軍配を上げたい。久々の石田小説で、愉しく勉強させていただきました。
2022/02/16
あすなろ
殆どの人間の異性を見る目は節穴だ。これで始まる婚活は、何処へ行くのか?否、コンカツと石田氏が題名で表したとおり、婚期なんて言葉が死語になりつつある現代に恋の活動は何処へ展開するのか?いささか、別世界的な描き方が鼻につく箇所もあるが、男性と女性の埋められやしない考え方が現れていた点が興味深かった。イヤー、確かに、オトコなんて牛みたいに頑固なもんです。そして、それが歳追う度に固く成熟していく、なんてね⁈
2016/02/07
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