ビッグデータ・コネクト (文春文庫 ふ 40-1)
ビッグデータ・コネクト (文春文庫 ふ 40-1) / 感想・レビュー
starbro
本の雑誌2015年上半期ベスト1ということで手に取りました。藤井太洋初読です。マイナンバー制度、ハッカー、サイバー捜査等、旬のネタを専門家らしく上手く盛り込んでいますが、ミステリとしては今一で登場人物のキャラもう少しな感じがします。かなり独断と偏見のベスト1なんじゃないかなぁ!
2015/10/02
Yunemo
この読後感、何と表現したらいいんでしょう。細部にわたるIT業界の内実。ほんのちょっとすぐ先にある世界。マイナンバー制度に係る個人情報への危機感、まさにその通り。だから妙にリアルさが付きまといます。ただ、警察小説として読みこなせばいいのかは、ちょっと疑問。結局は1人のスーパーマン的エンジニアと良識派警官とのコンビが、悪徳警官を含めた行政サイドの不正を正す、単純にそう理解して読むほうが納得感があり。この世界に精通していないと、いろんな言葉自体に惑わされて本質を見失う。まさに私自身、この世界に嵌りそうな予感。
2015/05/09
しんたろー
初読みの作家さん。ITに疎いオジサンにとっては、システムや用語に引っかかって しまって非常に読み難い文章が続き、途中で挫折しかかった。しかし、武岱を始め として、小山、沢木、赤瀬などキャラが立った人物が動き出す中盤から面白くなって きた。(人物描写が武岱以外はステレオタイプなのが残念)IT業界のブラックぶりや 個人情報データ漏洩(悪用)による恐ろしさなどがヒシヒシと伝わってくるのは今日 的で上手いと思った(10年後に読んでもツマラナイだろう)。人間をもう少し魅力的 に書かれていれば・・・惜しい!
2016/10/28
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
ITエンジニアの誘拐事件を担当する事になったサイバー課の刑事万田。事件への協力を要請することになったのはかつて自分が担当した事件の容疑者であった武岱。犯人の目的はなんなんのか?背後にある更に大きな事件の謎は?今回はいつものSFではなくて、サイバーミステリーとも言うべきジャンル。でも展開が気になりぐいぐいと読めるところはさすが。藤井さんにハズレなしだな。それにしても、ネットやらビックデータやら、世の中便利になるのはいいけど、あちこちに散らばる自分の個人情報がどんなことになっているのやら気になるなあ。★★★+
2017/04/21
ひさか
2015年4月刊。文庫書下ろし。京都府警サイバー犯罪対策課のメンバーとITヒーローとでもいう武岱の活躍に胸が踊りました。住基ネットの外字仕様に関するアイデアが面白いです。ITネタが正しく豊富に語られるのに好感を覚えます。藤井さんお得意の個人、チーム、組織を描くスペクタクルです。登場するビッグデータって、顔認証データ(顔紋と表現されてました)だけだと思うのですが、これをタイトルに持って来るのは、少し無理があるなと思いました。
2015/06/15
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