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新月譚 (文春文庫 ぬ 1-7)

新月譚 (文春文庫 ぬ 1-7)

新月譚 (文春文庫 ぬ 1-7)

作家
貫井徳郎
出版社
文藝春秋
発売日
2015-06-10
ISBN
9784167903800
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新月譚 (文春文庫 ぬ 1-7) / 感想・レビュー

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ふじさん

美貌と壮絶な作品で一世を風靡した作家の咲良怜花。なぜ彼女は突如として筆を折ったのか。若い編集者に促される形で彼女は、沈黙を破り語り始める。なぜ執筆をやめたのか、彼女が隠し続けた秘密とは何かを。そこには、目立たない娘だった彼女を変貌させる、木ノ内徹との驚くべき恋の顛末が。ノンミステリーだが、一人称で語られる内容は、男と女の恋愛の陶酔と地獄を描き、読む者の心を鷲掴みする長編小説。

2021/10/07

takaC

そういえばちょうど6回前の直木賞候補作だったね。単行本は選考日直前に慌てて実家で読んだ記憶がある。ヒロインの書いたのがどんな作品でどうスゴイのかがわからないのが勿体ないんだよな。それが理由で賞を逃したのか不明だけどあの時は辻村さんが本命だったからな。その後貫井ちゃん作品は候補になったっけ?あ、前々回くらいに『私に似た人』が推されたかな。次回はいつだろう。そろそろ掻っ攫って欲しいね。

2015/07/16

あすなろ

貫井氏は膂力あるなあと唸った。作家が作家を、ましてや女性作家を描くだけでも惹かれるのに、まるで松本清張を彷彿とさせる如き女の情念や怨念をも描き切り、整形による変身願望心情も描き切る計618頁。続きが気になり頁を捲ってしまう系統の作品。こいつは見事であった。毒気に当てられ遣られました。

2020/08/29

あも

十年近く前に断筆した幻の作家。彼女のファンである編集者・渡部はもう一度小説を書いて欲しいと彼女の元に日参する。そして彼女が語り始めたのは、コンプレックスの塊だった後藤和子という女性がある男に出会い、恋情と憎悪に身を焦がしながら、美人作家・咲良怜花になるまでの物語だった。メロドラマの筋書きを500ページを超えて読まされるのだが、この執拗かつ綿密な描写こそ、ぬっくんの本領発揮(ややうんざりはしたが…)。物語を好みかどうかすら超えて、ひとりの女性の人生を追いかけた。本当の自分を新月に喩えた彼女の真情がさみしい。

2019/12/30

miww

読友さんのオススメでかなり期待して読みましたがその言葉通りの面白さ!並以下の容姿に能力、夢、自己愛すらもないと自分を否定して生きてきた和子が、美貌の女性作家へと生まれ変わり筆を折るまでの半生。自分が存在する意味を追い求め壮絶な人生を歩む彼女の嫉妬や葛藤、そして選択に凄く共感した。こんな女性の心理を描ける貫井さん、凄いです。「木之内に認められたい、誉められたい」彼女が求める事はそれだけ。ここまで追い続けられるたった一人の男性と出会えた和子は幸せだったのでは。ある意味私にも木之内は魅力的に映った。

2016/02/15

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