シートン探偵記 (文春文庫 や 54-4)
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シートン探偵記 (文春文庫 や 54-4) / 感想・レビュー
Die-Go
読友さんのレビューに惹かれて。図書館本。有名なシートン動物記とその作者であるシートンを主人公にした短篇ミステリー。独特の外国文学を思わせる文体や雰囲気が、シャーロックホームズものを思わせる。子どもの頃に夢中になって読んだシートン動物記だけに、内容は覚えていて、その題材を上手く使っている本作は懐かしく読めた。特に「熊王ジャック」は、自然の雄大さと反して人間の欲得に潜む心の闇をうまく表現していた。★★★★☆
2016/10/15
つねじろう
そうなんて云うかこの表題からしてルール違反でしょうと言いたくなる。作者の好きな2人、みんなが好きな2人のシャーロックホームズとシートンを合わせて好きなように作ってみましたみたいな作品。動物の痕跡からその行動や性格まで分析する能力と探偵の能力のマッチングはとっても親和性が高く納得感がある。よって無理なく読めるしシートン動物記に対するリスペクト感やLOVEを一話一話に感じる。やっぱりロボが出て来ると興奮するよね〜。バナーテイル、熊王ジャックまで登場する。もう一度シートン動物記を読み直してみよう。楽しめました。
2015/07/22
まこみん
シートン動物記は多分読んでいなかったかもしれないけれど、純粋に推理小説として楽しめた。カラスの鳴き声の楽譜付解説には感心し笑った。セオドア・ルーズベルトとの交流の話では、狩りを趣味として楽しみ、毛皮や剥製にして自慢する上流白人文化と対立するのはナチュラリストの彼として当然の成行きだったと思う。殺すのではなく、一緒に生きありのままの姿を見ることが、真のトロフィー。
2024/05/09
たち
シートン動物記は「狼王ロボ」を読んだことがありましたが、あのシートン氏がこんな事件に巻き込まれたとしても不思議はないだろうな、と思わせるお話ばかりでした。月並みではありますが、この世で一番怖い動物はやはり人間のようです。
2016/07/11
sibarin♪
シートン氏を探偵に見たて謎解きを進めていく…というか、動物の行動を熟知する彼だからこそ、事件の謎を解く鍵を動物によって知り得る。という筋立てが面白かった。カラスからグリズリーまで幅広く登場する動物達はシートン氏の動物愛を感じさせてくれる大切な脇役、もしかしたら短編毎の主人公なのかな。最後の章にハンティングをして首や毛皮を勝利の記念とするのではなく一瞬の自然な姿をカメラでハンティングする。これこそが真の勝利の記念品。とあったのには大きく頷いた。
2016/03/26
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