お家賃ですけど (文春文庫 の 16-5)
お家賃ですけど (文春文庫 の 16-5) / 感想・レビュー
佐島楓
能町さんは大相撲の番組で拝見して以来、気になっていた。本書を読んで感じた、圧倒的な孤独。そう、孤独なのだけれども辛くない。むしろ、明るい。特殊な才能を感じさせる文章だと思った。
2015/10/05
Kazuko Ohta
賃貸アパートの入居者が大家さんのところへ行って「お家賃ですけど」と言ったら、「すみません、今月は厳しくて」とか続くのではないかと思ったら、「持ってきました」のほうでした(笑)。性同一性障害の著者が20代後半の数年間を過ごした下宿風アパート、加寿子荘での日々を綴る。性別適合手術の施術前と後、驚きつつも「うふふ」と笑いながら受け入れてくれる加寿子さん。性別なんて些細なことで、「人」を見ているのかもしれません。加寿子さんの年齢が判明する段ではふきました。十や二十の違いも、ごくごく些細なことにちがいない、きっと。
2018/03/13
舞
Kindle地味に面白かった。木造の古アパート二階奥に住む。古きアパートあるあるなネタがてんこ盛り。オーエルとは…普段買わないオーエル雑誌をすきま風が窓から吹くお風呂で読んだり…お隣さんを観察してみたり…。平和な時間が流れるものの終盤で著者は、循環器系の病になり、階段も息が切れて上り降りが大変で「心臓が悪いから階段が大変」というおばあちゃんに抜かれるほど…少しの距離も苦しく「緊急入院」くらい言ってもらえれば楽なんだけど、生殺しだから困る。結局手術。ずっと加寿子荘にいたい、隙間風に季節を感じながら死ぬまで。
2019/09/01
はな
まさにのろけのようなこの本を読んで、素直にうらやましいと思いました。私も自分の部屋をもっと大切にしよう。いつまでかわからない一人暮らしを楽しみたいです。
2015/09/11
橘
文庫になったので再読しました。能町さんの言葉の選び方が真っ直ぐで、穏やかに読めました。能町さんの作品で一番好きなものは「縁遠さん」だったのですが、今はこの作品が一番好きです。面白かったです。
2015/09/05
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