等伯 上 (文春文庫 あ 32-4)
等伯 上 (文春文庫 あ 32-4) / 感想・レビュー
ケイ
京都国立博物館の国宝展第三期の目玉、長谷川等伯・久蔵親子の作品を観る前に読了。恥ずかしながら直木賞作とは知らず。朝井リョウ『何者』と同時受賞ということで話題はそちらにいってしまったのだろうか。数年前には随分硬派の作品が受賞もしていたのだと嬉しくなった。この展覧会をきっかけにたくさんの人が読んでくれればいいなと思う。史実に基づき、登場人物の心模様など作者の創造による肉付けが、狩野派に1人で切り込んでいった等伯の心の烈しさを感じさせてくれた。戦国時代、絵師と言えど波乱万丈の時代を生き抜いたのだな。
2017/10/28
はたっぴ
昨年『花鳥の夢』で狩野永徳の物語を読了し、こちらも読もうと積読して早一年。なぜもっと前に手にしなかったかと後悔するほど面白い。絵師として権力を持つ永徳が嫉妬したという等伯の生涯を上下巻で描く。映画やドラマで人間同士のいがみ合いの場面を見るように、この作品の彼方此方から、永徳の苛立ちや家門を守る党首としての矜持が感じられ、切なくなるほどだった。サラブレッドの永徳とは異なり、等伯は兄の政争の道具として利用されたり、信長の勢力に襲われたりと泥臭く波乱万丈な人生を歩む。やはり直木賞。下巻も一気読み間違いなしか?
2017/04/05
じいじ
こちら直木賞受賞作と言うことで、積んだものの手が付けられなかった。初読み作家と言うこともあって一抹の不安を持ちながらスタートした。主人公の絵師・信治(長谷川等伯)は、絵師・狩野永徳の作品を見て自身の力量不足を痛感します。この物語は、天下を狙う織田信長らの武将の活躍ぶりとシンクロナイズさせて展開するので、理解度も倍増して面白いです。一気に下巻突入します。
2024/03/27
のぶ
まだ上巻を読む限りだが、能登の七尾に信春として生を受け、長谷川家の養子となり絵師を目指していた。絵師として名を成すために京都に上京するが、時代は戦国時代。上巻では信春の絵師としての活躍の描写は控えめで、当時の戦乱の情勢や仏教の宗派間の説明が中心になっている。そんな時代に翻弄されながら、寺院を中心に絵筆をとる信春の姿も描かれていて、一絵師の話だけでなく大きな時代の中で生きていく、壮大な物語になりそうな印象を受けた。この先、物語がどうなっていくのか興味は尽きない。感想は下巻で。
2017/11/18
pukupuku
ちゃんと最後まで読み切れるか心配なくらいなかなか硬派な物語。ちゃんと最後まで読んだので,感想はまとめて下巻で!
2017/11/09
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