ウエザ・リポート 見上げた空の色 (文春文庫 う 11-20)
ウエザ・リポート 見上げた空の色 (文春文庫 う 11-20) / 感想・レビュー
ふじさん
宇江佐真理の全作品の再読の最後の1冊。この本は、宇江佐真理の急逝する直前に出版された本。私が、宇江佐真理の本を買った最後の1冊でもある。最後の「私の乳癌リポート」をはじめ、どのエッセイも彼女の飾らない人柄や潔い生き方が出ていて読んでいても心地良く、共感できた。また、年齢が近いことや同じ北海道出身ということもあり、読んでいて思わず頷く表現や描写も多く、楽しませて貰った。彼女の新作はもう読めないが、再々読で気に入った作品から読み返して行きたいと思う。まず何から手を付けようか迷うところだ。
2023/08/25
じいじ
遺作?となった宇江佐さんのエッセイを読了。常々、宇江佐真理は何故、ひたすら江戸市井の人々を書きつづけるのだろうか、知りたかった。この疑問も、これまで知らなかった宇江佐さんの人柄も知ることが叶ったエッセイである。淡淡として細かいことにはこだわらない生きざまには感服。版元、先輩作家へ歯に衣着せぬ飄飄とした語り口は小気味好い。しかし、芯はかなり気丈で強情なところもお持ちのようです。最終章の「乳癌レポート」で、「平常心」を座右の銘に執筆を続ける心の強さに胸を打たれた。残された秀作をゆっくり読んでいきたいと思う。
2015/11/30
しげ
東京での常宿が同じで田舎者として納得…「甲子余話」松浦清山や「耳袋」根岸鎮衛など宇江佐作品のネタ元になった馴染みの薄い江戸時代の書物について触れられています。原文は文語体で私には厳しので現代文にリメークされた作品を読んでみたいと思います。200年以上に及ぶ江戸期庶民文化、世相を知る上で興味深い文献と思います。本書で語られる著者の家族や親族の出来事は「主婦作家」宇江佐真理の飾り無い視点で描かれていており、まるで自分の身内の話しを聞いている様でした。
2024/03/17
baba
生まれ育った函館でずっと主婦として日常の生活を大事にしながら執筆活動をしていた宇江佐さんのエッセイ。市民感覚を持って描いた市井物が好きです。最後の「私の乳癌リポート」は辛くたまりませんが「昨日と同じ今日でいい」に救われました。
2020/06/23
ろば
ただただ、宇江佐さんのご冥福を祈ります。
2015/12/13
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