石の記憶 (文春文庫 た 26-17)
石の記憶 (文春文庫 た 26-17) / 感想・レビュー
yumiko
古書店で見かけた高橋克彦。「緋い記憶」のような記憶シリーズかと思ったら、今迄未収録の作品を集めた一冊とのこと。土地の持つ記憶を読み取ることができる火明と小説家の私が登場する中編「石の記憶」は、歴史、民俗学、ミステリー、SF、冒険小説、様々な魅力が合わさった何とも形容し難い異色作。(異色すぎて正直びっくり…(^^;;)あとがきを読むに、47都道府県すべての土地の歴史を巡る「日本繚乱」という企画の第一作だったらしい。完成していたら、著者ならではの壮大な歴史ロマンとなっていたはず。出版社の都合というのが残念。
2016/08/16
HANA
ホラー、伝奇小説集。前半を占めるホラーは、どことなく心理の隙間を覗き込むような作風が中心。茫漠とした探索行から過去へと遡る「母の死んだ家」が一番面白く読めた。その他にも寓話じみた「加護」や、壊れたような人間の狂気がだんだん高まってくるような「さむけ」もまた読んでいるうちに肌寒くなってくる。後半は本書の半分を占める伝奇小説「石の記憶」。遮光器土偶が宇宙人を象っているというのは今となってはいささか遅れたような話題だが、登場する神も人も優しく逞しく読んでいて気分がいい。やはり全国版読んでみたかったものである。
2015/12/29
★Masako★
久しぶりの高橋作品♪ 前半はホラー8短編。ゾクッとくるものからじーんとくるいい話、結末に驚きの怪談話等バラエティーに富んでいて安定した面白さ♪後半はタイトルにもなった伝奇SFものの中編「石の記憶」。土地や遺跡が持つ記憶を霊視出来る霊能力者・火明。火明によって秋田・大湯のストーンサークル(石)に残された記憶が甦る。太古の世界、神と呼ばれた宇宙人の存在、ピラミッド、火山大噴火etc.若かりし頃こんな壮大な高橋ワールドにはまり夢中になって読んでたなあ♪中断したシリーズの一作目だそうで、続編が読めないのは残念?
2018/02/21
mintia
高橋克彦さんの短編集。「石の記憶」はスケールの壮大な物語だった。ストーンサークルは実物を見てみたい。
2018/10/24
ひなきち
表題作「石の記憶」は、民俗学ミステリーを期待してたのだが、話がとんでもない方向へ…。展開も早くて置いてきぼりをくらったような気分に…。ちょっぴり残念だった。他の8短編は、今までに味わったことのないホラーで楽しめた。色々な意味で「時空を越えている」本なのだな。高橋克彦という一種のブランド作家さんということなので、他の作品も読んでみたい。
2017/02/04
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