流転の魔女 (文春文庫 や 48-3)
流転の魔女 (文春文庫 や 48-3) / 感想・レビュー
カブ
五千円札の樋口一葉。別名「おせん」は国境をまたいで旅をする。人の手から手へ、臭い財布から臭いバッグへと渡り歩く。お金のために酷い目に遭うお話。
2015/12/30
ぼぶたろう
唯一、他人同士が価値を共有できるもの貨幣。お金にまつわるブラックユーモア溢れる作品。苦学生の中国人留学生と、五千円札に鎮座する樋口一葉さんが今作の主人公。お金に翻弄される人の姿がとても痛々しくて、ヒリヒリした。それは私にとっても、お金が大切で怖いものだからなのでしょう。
2016/09/27
pitch
お金に振り回される中国人留学生と、彼女が手にした五千円札の行方が交互に語られる。この作者の書く人物は、中国人ならではのむき出しな感じが面白くて好きです。欲を言えば最後は「おせん」さんと再会して欲しかった。
2018/04/26
ミスターテリ―(飛雲)
お金の話を、擬人化された五千円札の彼女のつぶやきと、中国人留学生のバイト生活の苦労話が、同時に進んでいく。ただ最後まで両方が交わることがないため、それぞれ別の小説として読んだ方がおもしろいと思う。とくに主人公のバイト生活のリアルさは、作者が得意とするところであり、読みごたえがあったが、五千円札のおせんの話には結局、最後まで入り込めなかった。ただお札のなかで唯一、女性の五千円札を魔女にしてお金の魅惑を表現した作者の視点には納得。
2019/09/17
taka
お金目線という着想は面白かった。もう少し主人公とお金との関連にインパクトがほしいところ。。
2016/11/29
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