江戸川乱歩傑作選 鏡 (文春文庫 え 15-2)
江戸川乱歩傑作選 鏡 (文春文庫 え 15-2) / 感想・レビュー
nobby
文春文庫版傑作選3つのうち《鏡》。湊さんセレクトは本格推理ものを集めた中短編7篇。そのきっかけが未だに解けない「湖畔亭事件」最後の謎の公開調査依頼ってのが面白い(笑)既読の「石榴」「心理試験」「赤い部屋」でのラスト期待通りのひっくり返しは爽快!初読の「何者」が見取図とかワクワクさせられながらの真打ち登場にニヤリ!珍しくも真犯人は的中♬それでもやっぱり一番は「人間椅子」一度読めば絶対に忘れないであろう変態的思考は分かって読んでも迫り来る嫌悪にゾクゾクする...そして僕の周りに豪華な椅子がないことに安堵...
2023/07/02
優希
イヤミスの女王が選んだ乱歩作品なので、どれもいい意味で嫌な気分になります。猟奇的な作品もあれば、じわじわと沈み込んでいくような作品もある。面白かったです。
2022/06/20
橘
既読の作品が多かったですが楽しく読みました。「赤い部屋」「人間椅子」がやっぱり好き。わたしも、乱歩の長編で一番好きなのは「孤島の鬼」です。作家さんが選ぶ乱歩作品も興味深いです、他のシリーズも読みたいです。
2016/11/27
天の川
久々の乱歩。「人間椅子」の変質狂的な淫靡な世界。当時としては斬新な作品だっただろう「心理試験」…懐かしく読んだけれど、今回、印象に残ったのは推理小説や幻想小説の要素は全くない「木馬は廻る」だった。回転木馬の音楽を担当する貧しい老ラッパ吹き。想いを寄せる十八の娘も又、若さだけが取り柄の貧しい娘。彼がラッパで吹く回転木馬のメロディーが「戦友」なのも、うら寂しさを増幅し、何だかやるせない気持ちになった。
2016/11/19
ひろ
鏡、という題だけれども、それにとらわれず乱歩のミステリとしての趣の強い作品を集めた印象。読者に語りかけながらじわじわと進んでいく展開はやはり唯一無二の面白さ。明智小五郎が登場したときの高揚は、まさに名探偵かくあるべきといったところ。未読の作品が多くどれも楽しめたが、「石榴」はその題の意味合いからして良い。
2019/07/13
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