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ペテロの葬列 上 (文春文庫 み 17-10)

ペテロの葬列 上 (文春文庫 み 17-10)

ペテロの葬列 上 (文春文庫 み 17-10)

作家
宮部みゆき
出版社
文藝春秋
発売日
2016-04-08
ISBN
9784167905842
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ペテロの葬列 上 (文春文庫 み 17-10) / 感想・レビュー

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yoshida

安定の面白さにぐいぐい引き込まれる。やはり宮部みゆきさんは人間の持つ感情、特に悪意を描くのがとても巧みである。杉村三郎が巻き込まれたバスジャック事件。事件は短時間で解決するが犯人は自死。犯人の動機等の謎が残る。事件も犯人死亡で解決と思われた時期に、杉村らバスに監禁された人々に犯人が約束した慰謝料が送られ事件が動く。背景に見えるマインドコントロール、マルチ商法、豊田商事事件の残滓。杉村は2週間で事件を調べる。中盤以降、加速度的に読ませる作品。宮部みゆきさんの作品をリアルタイムに読める幸せな時代に感謝。

2016/04/22

るーしあ

杉村シリーズ第3弾。頼りなくも芯がしっかりしている杉村三郎の愛されるべきキャラクターが懐かしい。ドラマを見ていたはずだが、幸いなことに結末を覚えていないために復習しながら楽しめている。今回はバスジャックの被害に遭う杉村。過去の事件と比べても過激な部類だ。奇妙で謎だらけのバスジャック犯に興味は尽きない。しかし北見探偵の件は本筋と何か関係あるか? このまま下巻へ。

2016/05/06

fukumasagami

「お義父さん」と、私は言った。「お尋ねを受けて、やっとわかりました」 義父は黙ったまま、わずかに身を乗り出した。告解を促す神父のように。 「私はあのとき、何も考えられませんでした。だから今になって、考えずにいられません」 あの場にあるべきだった<飢え>が、どこかに残っているのではないか、と。

2016/05/11

katsubek

杉村三郎シリーズの三作目。「小さな」事件の背後から、もっと大きなものが垣間見えてきた。さて、宮部は私たちをどこに連れて行こうとするのか?

2016/08/08

rico

杉村三郎シリーズ。バスジャックに巻き込まれた三郎。事件はあっさり解決したが、犯人の残したものをたぐっていった先の闇の深さ、それが垣間見えたところで上巻は終了。下巻では、あちこちばらまかれた伏線が回収されるのか。口絵はレンブラントの「聖ペテロの否認」。キリストのことを知らないと言い、それを悔いて身を粉にして布教活動を行い、最後は逆さ磔になったと伝えられるペテロ。誰がどんな嘘をつき、どうやってその罪を贖おうとしているのか。下巻を読むのが少し怖い。

2020/06/09

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