偉くない「私」が一番自由 (文春文庫 よ 21-7)
偉くない「私」が一番自由 (文春文庫 よ 21-7) / 感想・レビュー
おさむ
「組織が人を切るときの怖さを話しておきたいの。外務省にこれ以上いると危ない」編者である佐藤優氏が東京地検特捜部に逮捕される前日の電話。ここに、米原さんの思慮深さと修羅場をくぐり抜けてきた強靭さがあります。没後10年を機にまとめられた傑作選であるこの本は、スタイルや内容はバラエティで、厳しい批評眼を持ちながらユーモアを失わず、一本筋の通った米原さんの「真の知識人」ぶりを感じさせてくれます。
2016/10/09
いちねんせい
何より米原さんの卒論を読むことができたこと。二十歳そこそこでこんなものが書けるのか!と、ただ驚くばかり。ネクラーソフにも大変興味を持った。ミラン・クンデラに対する見解にはっとする。もっと読みたいなぁ。
2018/04/07
aika
「これからは書くことがあなたの仕事になる。」そうして作家・佐藤優を誕生させた米原万里さんのベストエッセイを、ロシア料理のフルコースに見立てたアンソロジー。ネクラーソフをテーマに据えた卒論は既に豪胆さと文章の勢い全開でした。闘病生活の苦悩の中でもネクラーソフの詩を、文学を、彼女なりの正義を貫こうと終生身体に刻み付けたその姿。獄に繋がれた佐藤さんを日本中が大バッシングする中、身を挺してでも守ろうとしてくれた米原さんに感謝する佐藤さんの思いが溢れています。政治評論の綱引きはぜひ佐藤さんに勝ってほしかったなあ。
2020/02/23
gtn
チェコ生まれの作家クンデラを、文学官僚がまともな作品が書ける訳がないと毛嫌いしたり、何が根拠か、女が選ぶ政治家ベスト・ワースト10を作成したり、どこまでも感覚的な著者。そんな人物が、理論的な佐藤優氏と馬が合うのが面白い。
2020/07/03
さきん
元駐露外交官がロシア語通訳であり文筆家でもあった米原氏の作品を整理して紹介する内容.私も米原氏の本が大好きで多くの著作を読んでおり,すでに7割ほどは既に知っている内容であったが,米原氏の卒業論文が読めたのが何よりよかった。
2016/11/11
感想・レビューをもっと見る