Deluxe Edition (文春文庫 あ 72-1)
Deluxe Edition (文春文庫 あ 72-1) / 感想・レビュー
yoshida
短編集。個人的には物足りなかった。「Man in the Mirror」の導入と設定に期待があったが最後はあっけなく終了。私は阿部和重さんの描く狂気やカタルシスが好きな訳だが、この短編集は合わなかったようだ。「シンセミア」等の刺さる作品はある。阿部和重さんの輝きを求め、他作品も読もうと思う。この短編集が合わないだけで、かつての作品の輝きは色褪せないと思うからだ。不完全燃焼な読後感が残ってしまった。
2024/05/06
hit4papa
突然始まり、突然終わる、ストーリーを語り難い短編集です。初期の頃の作品よりは観念的なわかり難さはなくなって、話の筋道は明快なのだけれど、好みに合わない人は多いんだろうなと思います。筒井康隆の実験的な作品とまではいかないものの、イイ感じに近づいているのではないでしょうか。真実の愛を求める中年男が出逢った女は「Just Like a Woman」、身体を売る少女たちの最後の仕事「The Nutcracker」等々。はっとするような残酷さ孕んでいて、かなり好みではあります。タイトルのあざとさはさておいて。
2018/09/02
緋莢
『キャプテンサンダーボルト』の文庫を読んだので、阿部和重の本を読んでみようと手に取ってみました。12編が収録された短編集。1話目の「Man in the Mirror」は人類そっくりな未知の猿が発見されて、という導入に面白そう!と掴まれたんですが、あっさり終わってしまい、あれ?となりました。以降も自分には???な話が多く、「Life on Mars」は理解できたかな~と思ったら、救われない話でした。 自分にはあわなかったようです。
2018/01/09
niisun
川上未映子さんからの流れで手に取ったので、阿部和重さん初読です。著者初の短編集のようで、この作品から入ったのが、良かったのか悪かったのか…。「彼はこういう作品を書く作家なのかぁ」という感想を持つ程度でしたが、個人的には、あまり興味を惹かれる部類の作風ではなかったです。世の中の暗部にふれつつ、肩透かしを喰らわせるような展開に仕上げる作品で、題材こそ、私の好きなウディ・アレンの映画のようではあるものの、軽快さに欠けていて、湿っぽさやベタつき感が残る話の連続でした。長編を一冊読んでからいろいろ判断したい。
2016/06/22
阿部義彦
阿部和重さん、初の短編集が文庫になりました。共通するテーマは不穏とユーモアかな?秘密結社やウォーゲームといった阿部さん好みのシチュエーションそして、暴力、拷問、罵倒の嵐でも全てにしっかりとオチがついて思わず納得の読み心地です。でも阿部さんときた本来は長編が向いてるのではないかな、とも思います。シンセミアを次には読もう。
2016/06/12
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