甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺 (文春文庫 た 98-1)
甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺 (文春文庫 た 98-1) / 感想・レビュー
はにこ
菓子屋を営む兄弟、晴太郎と幸次郎。その商いを邪魔する叔父、百瀬屋。度重なる妨害を乗り越えていく兄弟とそれを支える茂市や伊勢屋。兄弟を応援すると共に、百瀬屋を憎く思い読み進めたが、それには隠された理由があって。と読みごたえたっぷりだった。出てくるお菓子も美味しそう。和菓子が食べたくなった。
2020/11/23
もんらっしぇ
江戸時代。電話もSNSもない世の中で人と人とを結ぶ手段といえば文(ふみ)とそう会話ですよね。直接言葉を交わすことで相手を推し量る。言葉の抑揚、表情顔色等々いかに重要だったか。田牧さん、その辺りの心象表現が他の作家さんより優れてるかなと。本作では特に兄晴太郎と総左衛門との遣取。苦笑させられますねw また当事者が一人称で心情を吐露する形式も斬新。物語の展開が新鮮に感じられます。肝心の菓子は素材制作過程、色形香り味わいなど説明が丁寧。また各章の最初の頁にお菓子の画あり。二色刷とはいえ十分美味しさを想像出来ますw
2019/11/15
のぶ
自分は2作目の「晴れの日には」を先に読んだが、こちらも和菓子の魅力と四季の情感にあふれた作品だった。「晴れの日には」に続けてこちらを読んだのも、それが大きな要因だった。ただ、2作を読んでみてちょっとした不満を述べれば、和菓子描写の素晴らしさに比して、各章に出てくる藍千堂の騒動とか、人情話にもう少し刺激が欲しかったと感じた。読む順が逆だとしても同じことを思っただろう。この先シリーズが続くとすれば、そのあたりがないと飽きてきてしまうのではと自分には感じた。
2016/10/03
コジ
★★★★☆ 父の残した味を頑なに守る菓子職人の兄と、商才に長けた弟。兄弟が営む小さな和菓子店「藍千堂」を舞台にした時代物。弟・孝次郎と従妹のお糸の淡い恋と二人を見守る兄・晴太郎。お糸の父親で兄弟の叔父は兄弟の父親が成功させた百瀬屋を追い出した張本人。叔父の妨害を晴太郎が作る上品で美しい菓子と孝次郎の機転で跳ね除ける。コレと言った派手さは無いが、ほんのりと漂う艶っぽさと江戸の四季の移ろいと季節に合わせた美しい和菓子を想像しながら読む。和菓子には他の菓子には無い艶やかさがあることを気づかせてくれた。
2016/08/05
min2
和菓子はあまり得意ではないのですが、思わず覗いてみたくなるお店でした。叔父さんとの確執もとりあえずは一段落?続きはどんなお話しが(お菓子が!)待っているのでしょうか?
2016/06/29
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