還暦猫 ご隠居さん(五) (文春文庫 の 20-5)
還暦猫 ご隠居さん(五) (文春文庫 の 20-5) / 感想・レビュー
baba
梟助さんが仕事で訪問する先で話しをする事が多かったが、今回は聞き役になっていた。特に最後の「還暦猫」は不思議な話しでありながら、真実らしいと思わせるやり取りが微笑ましく、夫婦の心理描写や梟助の思い遣る気遣いも良かった。
2016/12/26
ひさか
2016年9月文春文庫刊。書き下ろし。シリーズ5作目。呼ぶ声、拈華微笑、あたし,待つよ、曰く付きの鏡、還暦猫、の5つの連作短編。呼ぶ声、拈華微笑、あたし,待つよの人情味のある話が楽しい。曰く付きの鏡はホラーチックで面白い。還暦猫は殆ど落語で、しかもそれほどの話でもないのが残念。表紙絵の文字を示す猫の絵は楽しくて笑ってしまいました。
2021/11/23
ケイプ
ご隠居さんシリーズの五作目です。鏡磨ぎに訪れたお宅でいろいろな話を聞かせる語り上手な梟助さんも、今作では聞き上手に。話を聞きながら少し自分のことを省みる梟助、まだまだ続きを読んでいきます。
2016/10/25
犬養三千代
呼ぶ声、拈華微笑、あたし待つよ、曰く付きの鏡、還暦猫。呼ぶ声の友の声で立ち直る主人公。それにも増してその女房のえげつなさは凄い。拈華微笑の住職と梵妻、心の澱を梟助に吐き出してほっこりした結末は楽しい。猫になった奥様と旦那様の会話の妙。家族の狼狽ぶり、遠山奉行の采配がいやはや「名奉行‼️」
2020/08/18
qoop
毎巻バラエティに富んだ構成だが、落語絡み・人情噺・奇譚などとバリエーションの定型は決まっているため、いい意味でご存知物の感も強い。そうしたスタイルとしての定型の他に、例えば主人公・梟助が老年ながら様々な気づきを得るというのも作劇上の定型の一つだろう。本巻ではそんな梟助の姿にハッとさせられる〈あたし、待つよ〉と、奇譚の表題作が印象的。
2016/10/18
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