新装版 螺旋階段のアリス (文春文庫) (文春文庫 か 33-6)
新装版 螺旋階段のアリス (文春文庫) (文春文庫 か 33-6) / 感想・レビュー
yanae
ずっと気になってた加納さんのアリスシリーズ、周りから聞こえる評判通り面白かったです。加納さんは文章も読みやすいし、日常ミステリーを書くのが本当に上手だなぁ。早期退職制度を使って探偵になった50代の仁木と、初日に探偵事務所を訪ねてきた助手希望の通称アリス。人探し、犬探しから張り込み。依頼の真相はビックリするものから心暖まるものまで。最終話はアリスと仁木の家族も出てきてちょっと感動した。あと真栄田さんのエピソードは素敵だったな。次のシリーズもあるようなので読みたいと思います。
2017/08/23
七色一味
読破。人の死なない、そしてタイトルをみておわかりのように、全編『アリス』愛溢れる作品です。まぁオマージュ的作品では…ない、と、思いますが…(^_^;)☆『転身退職者支援制度』なるモノを活用して?私立探偵になった(笑)中年男性と美少女『アリス』ならぬ安梨沙のコンビの、七編の日常系ミステリー作品なんですが、一番のミステリーは安梨沙です(笑)そう思ってたら、最後にちゃんとその部分も回収してくれました。
2017/01/05
ゆきちん
早期退職制度を利用して探偵を始めた50代の仁木と、初日にチラシを見て助手希望で訪ねて来た少女通称アリス。二人の共通点はアリスの世界が好きな事。人探しやペット探しや鍵探し、浮気してない証拠集め果てはベビーシッターまで、依頼をこなしながら二人で謎を解いていく。一番ミステリアスだったアリスの謎も。雰囲気のよい読みごこちです。続編「虹の家のアリス」へ
2017/09/14
みっぴー
ちょっとずつ読もうと思ったら一気読み。加納さんの空気のような文章が大変心地よい短篇連作ミステリーです。おっさん探偵と、美少女助手の組み合わせで、『ふしぎの国のアリス』をモチーフとした謎に挑みます。『中庭のアリス』と『最上階のアリス』が特に良かったです。白だと思っていたものが黒になり、黒が灰色になる。"日常の謎"を得意とする作家の例に漏れず、その緻密な心理描写に舌を巻きます。ややもすればイヤミスに着地しかねないストーリーを、安梨沙が緩衝材となって、衝撃を分散してくれています。続編も必読(・∀・)
2018/08/01
ジンベエ親分
脱サラして探偵事務所を始めた冴えない50男のところに探偵助手希望の少女が転がり込んでくる。この安梨沙の人物造形が素晴らしく、主人公の順平と同じく50男の読者(つまり私)に夢を与えてくれる(笑) あ、ただし順平にも妻がおり、別にこの2人が色っぽい関係になるわけではないが。連作短編の形式でそれぞれミステリーとなっているのだが、読者的に気になるのは安梨沙の謎。もっとも各短編も「不思議の国のアリス」をモチーフにしていて、安梨沙のキャラと相まってフワフワした独特のムードがあって心地良い。続けて続編へ。
2018/02/15
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