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未来のだるまちゃんへ (文春文庫 か 72-1)

未来のだるまちゃんへ (文春文庫 か 72-1)

未来のだるまちゃんへ (文春文庫 か 72-1)

作家
かこさとし
出版社
文藝春秋
発売日
2016-12-01
ISBN
9784167907587
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未来のだるまちゃんへ (文春文庫 か 72-1) / 感想・レビュー

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mukimi

子供の頃大のお気に入りで全ページ覚えているくらいの「だるまちゃんと天狗ちゃん」の作者の自叙伝、誕生日に母が贈ってくれた。人間の表も裏も知らなければ子供達に届くものは作れないと、会社員と絵本作家の二足の草鞋を履きながら、ビジネスのためでも学問のためでもなく純粋に子供という生き物を愛し自身の体で子供たちと交流し観察し、純粋無垢の天使でもなければ未発達な生き物でもない子供たちに響くものを探し描き続けた著者の生み出したものだから何十年の時を経て子供達の心を掴み続けるんだな…。著者の絵本を我が子にも読み聞かせたい。

2023/12/29

あも

なんて優しい語り口なんだろう。文は人なりという言葉を実感する。かこさんがどれ程の強い想いを持ってこどもたちの為に絵本を描き続けていたのか。自然に囲まれた幼少期から敗戦を経て、生きる意味を求めた数十年の人生が易しくて優しい、そして心に響く言葉で届けられる。幼い頃大好きだったあの頁は目を瞑ればすぐ思い浮かべることができる。大人になった今だから、彼の気持ちを受け取ることができたと思う。あなたがいつもの書店を次に訪れるとき彼の追悼コーナーがあるかもしれない。そこに本書があったなら、序文だけでいいから読んでみて。

2018/05/08

ふう

からすさん・だるまちゃん・どろぼうがっこう…子や孫に何回読んであげたことか。愛されるたくさんの作品が生まれるまでの、加古さんの生い立ち、出会った人々、そして子どものすばらしさについて深く温かい思いが綴られています。戦後の、自分を含めた大人への失望。未来を託せるのは子どもだけだと、何年も考察を重ねて絵本作りに取り組む姿に、穏やかな風貌の内に秘めた信念の強さを感じました。大人の責任も。もう新しい作品に合えないのは残念ですが、生み出された作品はいつまでも子どもたちの心に喜びを運んでくれることでしょう。

2019/05/23

へくとぱすかる

絵本作家、という一言で語ってはもったいない。90年間をふりかえっての自伝は抜群におもしろく、そして子どもから青年期までの戦争の時代が重くひびく。そして人生、何があるかわからない。基本的に理工系の人でありながら、多くの子どもたちと接する活動の中で、絵本を描く仕事をひきうけ、それでも会社勤めを続ける。子どもたちとの活動も継続する。何と90年代までというから、ほぼ半世紀ではないか。結果的にはそれが良かったという。「だるまちゃん」のシリーズは有名だが、わたしはまだ読んでいない。これを機会にぜひ読もうと思う。

2022/06/21

かめりあうさぎ

先日の訃報が入った当日に偶然本屋で見つけた絵本作家かこさとしさんのエッセイ。『からすのぱんやさん』『どろぼうがっこう』など、子供の頃一番好きだったのはかこさとしさんの絵本だったなぁ。ご冥福を御祈りします。本書は、何故絵本作家になったのかと、絵本作家としての哲学が書かれています。優しいようでとても厳しい、でもその厳しさは優しさから生まれている。大好きだったあの絵本の裏に、こんなにたくさんの気持ちが込められていたなんて、今日まで知らなかった。未来の為に成すべきことがたくさんあると改めて教えられました。

2018/05/09

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