検察側の罪人 下 (文春文庫 し 60-2)
検察側の罪人 下 (文春文庫 し 60-2) / 感想・レビュー
どんふぁん
2018年6月17日読了。最上さぁーん!もう何なの、最後まで最上さんは最上さんでした。追い込まれていく最上さんは、こちらまで背中寒かったですよ!沖野さんは沖野さんで正義を果たしていたと思います。ふたりとも正義を貫いたんじゃないかなぁ?最上さんのやり方は間違っていたし、結局誰も救わなかったですね。沖野さんこのあと廃人になるんじゃないかと心配します。木村拓哉さんと二宮和也さんでこの作品を映画化するみたいですけど、見応え抜群やと思います。見に行きたいです。
2018/06/17
ナルピーチ
下巻は沖野を中心として物語が展開していく。検事を止めた沖野は弁護側に加わり無罪を訴えようと尽力し、事件の真相へと追っていく。散りばめられた伏線が繋がっていく様は圧巻の一言、読み手を惹き付ける。 最上の過去の“時効事件”に対する自信の正義、沖野の現在の“冤罪事件”を防ぐための正義、それぞれの想いがこの一冊には詰まっていた。最後の沖野の描写にはグッとくるものがあった。実際にはこのような事が起きてはならないことを切に願う。
2020/08/30
ゆのん
面白かった!人が人を裁く事は本当の意味で可能なのだろうか。人としての感情を全く表に出さないのも、感情を出し過ぎるのも適していないように思う。そうなると判例や法律に則って裁く訳だが法律は万能なのかとなるとそうでは無いと思う。判例だって杓子定規に従えるものでは無いとも思う。最上検事の正義と沖野検事の正義。どちらが正しいのか答えを出すのは難しいと思った。
2017/12/04
こーた
ひとは知らず識らずに、じぶんの見たいものばかり見ていることがある。好みの作家の本ばかりを読む。じぶんの考えと合う言説を探してきて読んで、溜飲を下げる。そうやってひとりで愉しんでいるぶんには、まだいい。でもそればかりだと、じぶんの意にそぐわないものに出くわしたとき、怒り出したり、排除しようとするようにもなる。そういう連中が権力を握ると、ストーリーを思うままに修正しようとしはじめる。そうやって冤罪が、歴史修正主義が生まれる。そんな昨今の傾向に、油断していると飲みこまれてしまう。怖ろしいことである。⇒
2018/10/07
chiru
検事である最上の心にわだかまって残る、時効を迎えた少女強姦殺害事件。罪を逃れた当時の重要参考人は、第二の殺人事件の真犯人なのか。最上のとる行動はどう考えても成功確率に乏しく非現実です。でも、殺されたのが自分の子供だったら…自分が検事なら…と『自分』に置き換えることで、正反対の感情が生まれてしまう。その葛藤が作者の狙いのような気がします。若手の検事も、最上や刑事たちも、我が身を削ってまで正義を貫こうとする。その正義に正解はない、と分かっていても。そのジレンマがとても苦しかったです。 ★5
2019/12/01
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