愛憎の檻 獄医立花登手控え(三) (文春文庫 ふ 1-67 獄医立花登手控え 3)
愛憎の檻 獄医立花登手控え(三) (文春文庫 ふ 1-67 獄医立花登手控え 3) / 感想・レビュー
kei302
【海坂藩城下町 第6回読書の集い「冬」】表紙イラスト 『片割れ』。留守番中、昼寝をしているところを起こされ、人相の悪い怪我人の治療をする登とおちえ。謎の患者は盗賊の片割れなのか? 正体が分かると・・ほほえましいです。 「白い骨」のラスト、清々しい空気感が伝わってくる。 「影法師」ドキドキしたけど、意外な結末にホッとした。 登のこれからの活躍が楽しみ。残りあと一冊。 陰影の深い牢がらみの出来事だけなら読み進みにくいが、 居候先の叔父の家族との愉快なやり取りの対比があるのでサクサク読める。
2021/01/26
shincha
立花登の第三弾。江戸の市井の人々の暮らしぶりや考え方や人の情など、ありありと目の前に浮かんでくるのは藤沢周平さんの真骨頂。連作短編集で、短い中に散りばめられた謎を獄医の登が、人として成長していきながら解決してゆく。帯を見るとドラマになっているよう。あとがきで知ったことだが、中井貴一主演のものと、溝端淳平主演の第二弾とあるよう。読んだ小説を映像化したものは、残念に感じることが多いので、あまり観ないのだが、これは観てみたいかな。さて、第4巻に進みます。
2023/06/20
のびすけ
獄医・立花登が囚人たちからの頼みで事件を解決する連作短編の第3弾。このシリーズに今一つ気持ちが入らないのは、登の捕物の活躍が主軸になっていて、医者としての本分が脇に置かれてしまっているからか。「片割れ」で怪しい男の傷を治療したり、「奈落のおあき」で危険な病状の少女を治療しているが、こういう場面がもっとあるといいのに。登との関係が気になるおちえの出番も少なかったかな。
2021/07/10
ぶんぶん
【図書館】「獄医立花登手控え」シリーズも三作目。 ますます油の乗り切った登の勇姿が見られる。 獄医として頑張る登、居候として何とか折り合いを付ける登、その場その場で全力を振り切る登に思わず声援を上げる。 屋根の上でおちえと煎餅を齧る登にホッコリとする、おちえも叔母さんの性格が少し判って来たみたい、良い嫁さんになりそうだ。 あと一巻で最終話、続いて欲しいような、そろそろ役目を終わらせたいような、複雑な気持ちです。 いよいよ、最終話の収録された「人間の檻」に入ります。
2022/02/04
sine_wave
表題にある愛憎に絡む6編。いとこのおちえとの間が良くなっているようだ。特にそのおちえの友達のおあきを描いた「奈落のおあき」が印象に残った。すっかり悪の伊勢蔵にだまされる。これからおあきはどうなるのか。
2019/01/13
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