極悪鳥になる夢を見る (文春文庫 き 35-3)
極悪鳥になる夢を見る (文春文庫 き 35-3) / 感想・レビュー
Tetchy
貴志氏の多方面のジャンルに亘る創作活動を裏付けるかのような多岐に亘るテーマについて語ったエッセイ。どこかお堅いイメージのあった貴志氏のお茶目な部分が横溢しており、実に面白い。最もインパクトがあるのが作者の熱い阪神タイガース愛、甲子園愛である。いやはやこれほどの野球好き、阪神ファンだとは思わなかった。なんせ応援しすぎてメガフォンが壊れるほどだ。様々なジャンルに水準以上の作品を著し、そのほとんどが年間ベストのランキングにエントリーしているのは、この作者の拘りの強さだと感じた。創作の原動力を垣間見た思いがした。
2024/06/27
のぶ
「黒い家」や「悪の経典」を書いている作家のエッセイ集なので、どんな内容か気になったが、ごく普通の人だった(趣味の範囲が広い)。デビュー前、保険会社に勤めていて、その経験が「黒い家」のプロットの参考になったというのは、大いに頷けた。作家は大抵本好きだが、貴志さんの読書量は特別。作家デビューし、先の見えない状態で会社を辞めて、苦しい生活が続いたとあるが、それでも読書量が落ちていないのは大変だと思った。好きな作家の一面が覗けて、楽しい読書だった。大きな新作がしばらく出ていないので、そちらも期待します。
2017/06/22
えっくん
★★★☆☆貴志さん初のエッセイ集。豊富な語彙と技巧的な文体から、国語の受験問題にも出てきそうな文章もありました。貴志作品の原点にもなっている多種多様の生物の話、台湾紀行、四万十川でのキャンプ体験も印象的です。貴志さんも読書好きなだけに「すごい」を連発するほどお気に入りの本を紹介されていますが、本屋に通い立ち読みしながら長編を読了してしまった話も驚きです。熱烈な阪神タイガース・愛で貴志さんの新たな横顔を垣間見えたエッセイでした。それにしても「スッポンの首」「私は監視されている」の話はもはやホラーですね。
2022/03/17
みなみ
貴志祐介のエッセイ集。ホラーっぽい話もあれば、旅行記もあり、作品の裏話もあってバラエティ豊か。早口言葉を自分で作ったり、小説のために実験をしたり何だか少し変わった人という印象。でも、目の付け所や色んな方面の知識の広さはすごい。「新世界より」での記載のこだわりには全く気付いていなかったので、もう一度読み返したくなった。
2020/07/16
ちろ
面白かった〜!ミステリアスなイメージを持っていた貴志さんの頭の中が覗けてうれしかった。品とほんのり毒もある貴志さん独自の鋭い視点や、ユーモラスな話に、読んでいて小躍りしたくなるエッセイ集でした。貴志さんが阪神タイガースファンなのは知らなかったです。甲子園球場の試合中に打席に誰が立っているか、窓を開けたらわかる距離に住んではるらしい。ほんまもんやw
2017/04/18
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