陰陽師 螢火ノ巻 (文春文庫 ゆ 2-33)
陰陽師 螢火ノ巻 (文春文庫 ゆ 2-33) / 感想・レビュー
KAZOO
文庫本新刊です。このシリーズはいつも単行本を読んでさらに文庫本を再読するのが読んでいなかったようです。この中には9つの短編があり、単なる季節感を感じさせるようなものもあります。蘆屋道満が3回も出てきて酒の好きないい人間になりつつあります。対決がほとんどなくなったのは残念です。今回はさらっと読んでしまってあまり印象に残るものが少ない気がしました。
2017/06/10
KAZOO
6月に読んでいましたが、シリーズを再読していて文庫本の最新刊ということで再度読んでしまいました。最初の頃から通読して感じることなのですが、作者も年を召されたのか、話が柔らかくなっている感じがします。さくらの精の話や蘆屋道萬も正義的な動きで晴明の味方になっている感じです。いつ読んでも楽しめます。
2017/11/14
しゅてふぁん
「人を褒めるときは、もそっとわかりにくく、遠まわしに言うものだ」「何故だ」「言われた方が困ってしまうからだ」「博雅よ、おまえ、困ったのか-」…この二人、可愛すぎる~(´艸`*) 博雅が降る雪を見ながら、人の心にも歳月という白い雪のようなものが積もり、哀しみや恨みが白い清いもので包まれるのならば齢を重ねるのも悪くないと語っている場面、さすが博雅、良いこと言うなと。清明が怪異を解明するのも面白いけれど、この二人が語っている場面が好きだな。
2019/05/30
眠る山猫屋
やさぐれただけじゃない、優しさも秘めているじゃないか蘆屋道満。キャラクターがブレてしまうのは嫌いなんですが、道満はいい。チラチラっと見え隠れする寂しさや諦観なんかが、より深みを、陰影を増す。清明より人間臭くて・・・とはいえ、この巻の清明は、若干開き直った博雅に少し押され気味なんだけど。
2017/07/19
アルピニア
シリーズ第14弾。9篇から成る巻。マイベストは木の精と心通わせる「花の下に立つ女」。やはり私は博雅様の心真っ直ぐな話に弱い。「筏往生」は芥川龍之介の「蜘蛛の糸」が浮かぶような話。蘆屋道満のことば「天狗やもののけの方が、仏などより始末がよいこともある」が辛辣。「屏風道士」では、幸せについて考えさせられる。この巻全体に流れる「限りある命、齢の積み重ね」を愛おしむ視線が優しい。
2017/06/10
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