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トオリヌケ キンシ (文春文庫 か 33-8)

トオリヌケ キンシ (文春文庫 か 33-8)

トオリヌケ キンシ (文春文庫 か 33-8)

作家
加納朋子
出版社
文藝春秋
発売日
2017-06-08
ISBN
9784167908676
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トオリヌケ キンシ (文春文庫 か 33-8) / 感想・レビュー

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三代目 びあだいまおう

『心配』という文字は『心配り』と読みたい。この作品には配られた心の温かさと愛が満ちている。加納さんらしいとても素敵な短編集。どこか生きづらさを感じていたり、心の中に他人にはわからない厄介ごとを抱えていたりすること、誰にでもある。殻に閉じこもったり他人との接触を閉ざしたり、それこそ外の世界に自分自身で『トオリヌケキンシ』してしまっている人。そんな悩める健気な人たち。でもね、通り抜けられない道なんてないんだよ!あなたのことわかってくれる人や光はきっとある!他人に対して少し優しくなれる、そんな素敵な作品‼️🙇

2020/09/14

さてさて

『他の人とは少しだけ違う病気や能力、後遺症』に苦しめられる主人公達を描いた六つの物語は、それだけ聞くと主人公たちが悩み、苦しむ陰惨な展開が予想されます。しかしそこに描かれるのは、苦悩を経て歓喜に至る物語でした。それぞれの今を必死に生きる主人公達がその先に確かな未来を見る物語。『トオリヌケキンシ』の先に続く、その先にもきっと続いているであろう未来を見るあたたかな物語。取り上げること自体とても重い内容の数々を、敢えて軽く分かりやすく読者に提示してくれた加納さん。そんな加納さんの温かい眼差しを感じる作品でした。

2021/04/21

射手座の天使あきちゃん

他人とちょっと違う疾病や感覚、辛い過去の体験 そんなハンディキャップを乗り越えようとする「か弱い」人達を応援する加納さんの短編集6篇です。 雰囲気が「モノレール猫」に似ている「トオリヌケ キンシ」と「平穏で平凡で、幸運な人生」がお気に入りです♡ (^_^)v

2018/01/07

おかむー

『無菌病棟より愛をこめて』以来2冊目の加納作品、といっても前作は著者の闘病記だったので、小説としては今作が初読み。これが期待以上の良作でしたよ。『たいへんよくできました』。ほんのりホラーチックでファンタジーな感触にはじまって、せつなくも温もりに満ちる優しい六篇の短編集。それぞれが行き場のない閉塞した状況から踏み出すことをテーマにした作品になっていて、このテーマ自体『無菌病棟・・・』での著者の経験が大きく活かされているのでしょうね。ここのところ当たりが多くてなんか嬉しいオススメ作品ですよ。

2017/07/09

佐島楓

人は、その人にだけしかわからない痛みを抱えて生きている。自分だけがつらいわけではないし、自分ひとりが生きているだけの世界ではない。それをきちんと自覚していないと、本当の意味で人にやさしくできない。言葉にしてみるとひどく当たり前のことだけど、そういうことをこの作品から改めて教わった。

2017/06/15

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