屋上のウインドノーツ (文春文庫 ぬ 2-1)
屋上のウインドノーツ (文春文庫 ぬ 2-1) / 感想・レビュー
さてさて
『俺さ、今日、確かに、何かを踏み越えられたよ』という大志の成長。『志音のいない世界で、瑠璃ちゃんは変わって行く。多分、自分も瑠璃ちゃんのいないところで変わって行く』という志音の成長。それは『変えたいって、思ったんだろ』という気づきの瞬間のその先に、主人公達の最初の一歩が、力強い確かな歩みへと変わっていく瞬間を見る物語。物語前半の主人公達の様々な悩みの中に始まる重量感のある物語が、新しい風が吹くのを確かに感じる清々しい物語に昇華するその結末。ああ、青春ってやっぱりいいよね、思わず呟いた青春小説の傑作でした。
2021/09/27
散文の詞
いわゆる青春物で、読み終わった後の爽やかさは秀逸でした。 話の中盤までは、もっさりした感じで何を読まされているのかなって感じですが、多分、過去からの問題を抱えた主人公の少女を表すためにそういう表現になったのかもしれません。 その少女が、父親と会って何かが変わった時に、それをもう一人の主人公に気付かされるのが屋上で、このタイトルにつながるのでしょうね。まあ、ウインドノーツの意味がよくわかりませんでしたが…。 読みやすいし、比較的共感できる部分も多々あるのではないでしょか?
2020/07/23
だまだまこ
額賀さんの吹奏楽小説は「風に恋う」に続いて2作目。風に恋うの満足度があまりに高くて、どうかなと思ったけど、全く期待を裏切らなかった!コンクールで敗れる悔しさも、音楽を奏でる歓びも、体験したことのある感情ばかりで、主人公の気持ちがダイレクトに伝わる。序盤から涙が止まらない。金賞取って勝ち進むような話じゃなくて、迷い悩みながらコンクールを目指すリアリティのある設定なので好感が持てた。友達や家族との距離感も上手く描かれていて、吹奏楽に触れたことのある人はもちろん、そうでない人にも青春小説としてオススメの1冊。
2019/05/29
じょんじょん
すごい!素晴らしい、心洗われる青春成長小説です。心閉ざしてい主人公志音が先輩で吹奏楽部部長の大志によって、心がとけて打ち込むことに目覚めていく、そして大志も心に抱えたトラウマを志音によって、解放されていく。交替の目線で語られるハートフルストーリーに途中何度も涙腺崩壊しかけました。吹奏楽部の活動のなかで、特徴的な仲間たちも活き活きと描かれていますね。吹奏楽がブラバンと違うこと、そして吹奏楽がウインドミュージックと呼ばれること。解説で初めて知りました。まさに一風のさわやかな涼風が吹き抜けたような読後感でした。
2018/05/21
たるき( ´ ▽ ` )ノ
好き!とてもひたむきで爽やかで真っ直ぐで、読んでいて気持ちのいい作品だった。様々な葛藤もしっかりと描かれ、人物像がはっきりしていてイメージしやすかった。【シーゲート序曲】ぴったり!
2019/05/03
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