晩鐘 下 (文春文庫 さ 18-28)
晩鐘 下 (文春文庫 さ 18-28) / 感想・レビュー
ココ
「老いた人間が耐えなければならないのは、肉体の衰えだけではない、言葉にならない孤独感の重たさであることが、いまわかりました。」九十まであと二年、こうしちゃいられない、と書き始めた本作の終盤の作者のひと言が、胸に突き刺さる。読んで良かった!
2018/09/02
やどかり
夫であっても所詮他人。他人を理解し切ることなどできない。不可解な男として受け入れたことで、佐藤さんの中で昇華できたのかな。私の中では、元夫の借金の申し出を受けたり、怪しげな桑田を面白がる佐藤さんの行動も不可解ではあった。
2022/05/18
だいごろうA Sky Full of Stars
この本を読む前に、著者の戦いすんで日が暮れてを、先に読んでしまったので、愛子さんの元旦那さんが何回も借金し、それの繰り返しで、火の車状態で、形的に、愛子さんに借金が回って来ないよう離婚するのだが、愛子さんの知らないうちに第2婦人が居て、それでもノコノコ元旦那さんがやってきたり、愛子さんが、亡き恩師に、手紙という形で、思いをぶつける本だったとしか、アホの私にはわからない。愛子さんと旦那さんは文芸仲間であり、文芸仲間もいつの間にかいなくなり、愛子さんだけになってしまった悲しみや、いろんな感情が駆け巡る本だった
2024/07/29
禁酒パンヤ
佐藤さんの半生の自伝的要素が大きい小説ですよね。何度も夫の事を書いたって記してあったけれど、できる女がダメンズに尽くしてしまうといういうんでしょうか。魅力的だけど、運がなくて、計画性がなくて、典型的なダメンズ。私は絶対無理!ですが。ただ晩年の佐藤さん、仲間に皆先立たれて、救いようのない孤独を感じるその寂しさが、シーンと伝わってきました。年をとるという事は切ないものですね。
2018/05/25
桐葉
元夫が亡くなってもなんら感慨がわかないと言いつつこれだけのことを書けるのだから,やっぱり人生に大きく影響を与えたのだと思う。年を取るということはこういうことなのかとも思った。
2020/07/10
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