藤沢周平句集 (文春文庫 ふ 1-69)
藤沢周平句集 (文春文庫 ふ 1-69) / 感想・レビュー
モトラッド
★★★★☆全集を読み尽くし、ほかに読むものはないか、と思っていた時に、父の書架で見つけた一冊(単行本、1999年、3月30日第一刷)。『「海坂」、節のことなど』という興味深い一文をイントロにして、氏の詠んだ俳句111句が掲載されている。内訳は、俳誌「海坂」より54句、「のびどめより50句、拾遺7句。加えて、随筆が九篇収録されており、これが各々絶品で、心地よい余韻を残す。藤沢文学がお好きな方なら、氏の俳句への造詣の深さに触れるのも、興味深い事と思われる。
2022/09/14
オールド・ボリシェビク
藤沢周平は全集を持っているほど好きな作家なのだが、これは全集完結後に刊行された。未発表句もあって、貴重な一冊だ。根っからの農民であることがわかる句が多い。
2017/09/12
スズキィイ
20代後半に発症した肺結核の治療中に句作を開始した藤沢周平の百余りの句が収録されていて、中には単行本刊行の後に発見された俳句も文庫版には付されている。特に同じようで異なる句が複数あると、一つのモチーフを丁寧に俳句にしていく過程が作品を通じてわかるので読者としては大変興味深い。
2024/05/30
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