キャパへの追走 (文春文庫 さ 2-20)
キャパへの追走 (文春文庫 さ 2-20) / 感想・レビュー
遥かなる想い
キャパの足跡を辿り、同じ現場に立つという 紀行ノンフィクションである。 キャパの時代と 現代の二枚の写真が並べられ、興味深い。20世紀の歴史を撮ったキャパへの憧憬が 文中から感じられる。通り過ぎ去った時間にため息が出るような、そんな作品だった。
2020/08/19
ふう
ロバート・キャパ。「崩れ落ちる兵士」の写真と彼の名前を知ったのは、もう半世紀ほども前です。どうやってこんな悲しい写真を撮ったのだろうと衝撃を受けたことを覚えています。そのキャパの足あとを辿りながら、沢木氏が感じ、沢木氏が見たキャパとキャパが生きた時代を、文と写真で綴っています。中心となるのはヨーロッパの大戦とスペインの内戦。これまでに観てきた映画や読んだ本と重なり、あの時代の暗さを改めて感じながら読みました。沢木氏の文は誇張や飾りがなく素直で、だから余計に作者の思いが深く胸に響いてきます。とくに戦争の→
2017/12/15
金吾
○キャパの人生を撮影した場所を追いながら書いています。同じ場所での写真が多いため対比しながら時代の動きもわかり良かったです。あまり変わっていない場所もありましたので驚きました。ヘミングウェイとの話は面白かったです。
2021/12/02
しんこい
キャパなる人物の一生をろくに知らなかったが、こうして読むと強運ありの、波乱ありの人生。戦場でないと生き生きできないのも悲劇的か。写真の舞台を訪れる作者にもいろいろめぐり合わせがあり、現場確認は必ずしも成功しないけどストーリーができてるな。
2017/11/23
tnyak
「キャパの十字架」の姉妹編。十字架は謎解きが主題だが、本書はキャパの人となり、そして人生そのものを描いた良書。キャパが撮影した現地に赴き、著者が同じ構図の写真を撮っている。その過程を記した紀行文としても面白いし、足跡を辿ることでキャパの内面に触れることができる、という2通りの楽しみ方ができる一冊です。
2017/11/06
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