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ほんとうの花を見せにきた (文春文庫 さ 50-9)

ほんとうの花を見せにきた (文春文庫 さ 50-9)

ほんとうの花を見せにきた (文春文庫 さ 50-9)

作家
桜庭一樹
出版社
文藝春秋
発売日
2017-11-09
ISBN
9784167909567
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ほんとうの花を見せにきた (文春文庫 さ 50-9) / 感想・レビュー

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mocha

可愛らしい表紙とは裏腹なダークファンタジー。竹から生まれた中国渡来の吸血種族〈バンブー〉にまつわる3篇。最初は荒みきった世界やBL臭があまり好きではなかったけど、どんどん引き込まれた。植物性の吸血鬼だなんて、すごい設定!病院の夜勤というのはうまいカクレミノだなあ。この短さで特異な世界観をきっちり伝えられるのが流石だと思う。

2018/02/02

アッシュ姉

切なくて、儚くて、優しくて、愛おしい。桜庭さんが書くと吸血鬼小説はこうなるのかと感嘆。ファンタジーへの苦手意識を覆す流石の世界観。すんなり異世界にとけ込み、ひたっと浸れる幸せ。吸血種族バンブーと人間の交流を描いた連作短編。三話のうち最初の物語がダントツに好き。心優しき二人のバンブーに大切に育てられた少年。無償の愛に感動、禁断の絆に感涙。まさか泣かされるなんて嬉しい誤算だった。

2020/02/27

『よ♪』

読了。思っていたより遥かに切ないお話しで、温かい気持ちだけれど、同時に少し苦しい気持ちになりました。梗ちゃんの話、茉莉花の話、そしてもうひとつの話、どれも少し心が痛くなるお話し。強く印象に残ったのは初めの2つ。『大人になる=大事だったはずのことも忘れてしまう』というのは確かにそうなのだけれど、言葉として、物語として実際に見せられると、すごく悲しい気持ちになるのは、たぶんボクが既に大人だから。。温かいお話し、でも悲しいお話し。

2017/12/15

はつばあば

生きている者・若さにあふれた20代の若者達の世話になりながら、止まった時間を生きていた私のような老人の入院生活が思い出され・・とても切ない気持ちで読了。若いエネルギーに満ちた人の子、その子を見守る二人のバンブー。バンブーは老いた我が身に重なった・・。

2017/11/10

miri

中国の吸血種族のバンブーが殺戮の生き残りの人間の子供を育てるという物語。竹のオバケと称するバンブーは鏡に映らないし、夜しか活動しない。人間社会に紛れ込む俗っぽい面も持っており、人間の子供を愛し抜き、育てていく。桜庭一樹の物語はいつも甘い郷愁をそそるものがありますね。愛、別れ、孤独、死、狡さ、最早鋭さを失い輪郭が崩れ落ちていく間際の感情なら、浸りきってしまっても安全でいられますね。夜半過ぎに深いことを考えずに漂い、そのまま眠りに落ちました。

2021/06/17

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