アンネの童話 (文春文庫 フ 1-5)
アンネの童話 (文春文庫 フ 1-5) / 感想・レビュー
アン
アンネがアムステルダムの隠れ家で綴った童話とエッセイ。妖精の夢の謎、おじいさん小人の大切な教え、フルーツタルトの思い遣り…。『子熊のブラーリーの冒険』は、酒井駒子さんの愛らしい挿絵がたくさん添えられ、世界を発見したいという子熊の勇気と願いがアンネと重なるようで切ない気持ちにも。自然と触れ合うことで神様を身近に感じ、得られる心の平穏や喜び。どんな時も真摯に自分を見つめ、見出す希望の光。人々の幸福を祈り、ひたむきに生きた証であるアンネの言葉は力強く温かく私たちを包んでくれることでしょう。解説は小川洋子さん。
2021/08/21
アキ
Toi booksにて購入。酒井駒子の表紙とアンネ・フランク著で手に取りました。コロナ禍の巣ごもりと比較になりませんが、空想の世界で自然を美化するのはよくわかります。楽しそうな物語も彼女の運命を考えるともの悲しく感じてしまいます。「子熊のブラーリーの冒険」には酒井駒子の素敵な挿絵が7枚もあって、これだけでこの文庫を購入した価値があります。アンネがなれなかった17歳の自分の夢を書いた「映画スターの夢」。神様について友達と語り合ったすぐ後に突如として連行されたマリーを嘆く「キャディー」。どれも心に響きます。
2021/05/05
しゅてふぁん
表紙絵に惹かれて手に取った一冊。アムステルダムのアンネの隠れ家には行ったことがあって、この本を手に取ったことで家の内部の様子の記憶がじわじわと蘇ってきた。童話を読んでいると物事の真理を突いているような文章に出会いドキっとする。エッセイも周りの人たちのことを良く観察し、その様子が生き生きと描かれていて面白かった。するどい洞察力、果てのない空想力。そして自由への渇望。アンネがこれを書いたのは十五歳、自分の中学時代とは何と違うことか。『アンネ・フランクの日記』も読んでみないとな。
2019/03/02
ぐうぐう
アンネ・フランクは、ただ単に、日常を記録しようと日記を書いていたのではない。戦後、出版されることを目論んで、過去に書いた日記を何度も推敲している。つまり、アンネは作家志望であったわけだ。そんな彼女の夢が垣間見れるのは、日記と共に書かれた多くの童話からも言える。本書は、そんな童話とエッセイだけを抜粋して一冊の本にしたものだ。読んでいると、繊細な文体と、大胆な想像力で生み出された物語に素直に魅了されてしまう。(つづく)
2018/04/20
優希
アンネの自由な心が感じられます。
2023/07/28
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