オールド・テロリスト (文春文庫 む 11-7)
オールド・テロリスト (文春文庫 む 11-7) / 感想・レビュー
goro@80.7
斜め上を行くから作家で真っすぐ上を見るのが評論家かな?と読んでる途中でそう思った。オールド・テロリスト達は怒っているのだ。「愛と幻想のファシズム」「希望の国のエクソダス」「半島を出よ」そして「オールド・テロリスト」とスケールの大きい物語でどれも印象に残る。いつ何が起きても不思議じゃない世界に住んでると実感させられる現実に内側からも楔を打ち込む一冊とで「限りなく透明に近いブルー」以来驚かされてる村上龍です。
2022/03/30
キャプテン
★★★★☆_「世界一ついてない男フェア」第四弾。俺はキャプレーン。久しぶりだな。俺がゆくところに、テロリストあり。奇妙な体験ばかりしているので、NHKに取材を申し込まれ、NHKを訪問、そして案の定。焼夷爆発、逃げまどう人々、その背後に、不気味に笑う老人の姿──。そこから日本は様々なテロ行為に脅かされる。俺並みに不運なルポライターが、テロリストと向き合うことになるなんて、これが小説ならどんなに面白いか。若人たちよ、〝戦う〟ことの本当の意味を知っているか。おかしいことをおかしいと言えるか。肛門は、健康か──?
2018/08/27
hanchyan@だから お早うの朝はくる
著者はこれまでしばしば「矜持を失った国家で、いかに”実存”するか」という問いを読み手に突きつけて来ており、キャリア中期の傑作「愛と幻想のファシズム」や「五分後の世界」では、国家=「(個人の)実存のために敵対するシステム」として描き、「ラブ&ポップ-トパーズ2」や「超電導ナイトクラブ」では国体の護持とかなんとかから軽やかに飛翔する個人のモチベーションを描いた。というわけで、久々の村上龍。奇しくも「希望の国のエクソダス」以来。胸のすくような“希望”や“可能性”が示されると同時に“そこに参加できない”寂しさ↓
2019/01/27
hide
★★★★ たらいいのかわからない)を本気で考え、実行する者はもはや誰もいないし、今後もないかと思われる。 いつの時代も世界が劇的に変わるのは、誰も想像できないところから、ある日、突然やってくるのだと、今回の新型コロナウィルスでよくわかった。よって「希望のエクソダス」、「オールド・テロリスト」のようなアプローチは、所詮、荒唐無稽でドキドキ、ワクワクの最高のエンターテインメントである。
2020/05/26
Junichi Yamaguchi
『恥を売る』… 久々の龍さん。 とても、タフな老人達に自分自身が少し励まされた感じがした。 日本の未来、政治を本気で考えている思いに、僕自身も、ただ投票するだけでは、いけないと思わせてくれた。。
2018/02/18
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