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ナイルパーチの女子会 (文春文庫 ゆ 9-3)

ナイルパーチの女子会 (文春文庫 ゆ 9-3)

ナイルパーチの女子会 (文春文庫 ゆ 9-3)

作家
柚木麻子
出版社
文藝春秋
発売日
2018-02-09
ISBN
9784167910129
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ナイルパーチの女子会 (文春文庫 ゆ 9-3) / 感想・レビュー

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mae.dat

柚木さんはさ、おじさんが知らない。と言うか、気付かない様にしている。と言うか、なるべく遠ざけている、女性を取り巻く人間関係の厄介な面を見せてくれる作家さんの一人として認識しております。この話もそんな導入ではありましたが、読み進めるうちに流石にそれはないと思ったよ。ナイルパーチ強過ぎる。栄利子さんは、冷静に自己評価とか、自己分析とか出来そうなのにね。どんどん明後日の方向へ進んでしまってね。必死に踠く程、周りの関係を破壊してしまうのね。極端な悲劇は、喜劇でありホラーでもある様ですよ。皆何処に行きたいんだよー。

2023/08/09

エリートキャリアウーマンえりこと専業主婦のブロガー翔子、どちらも極端な性格で描かれ方ですが、少なからず自分にも2人のどちらの気持ちもあてはまる部分があると思いました。同性の友達って難しい。実は女子会を開いたりしている女性たちも上部だけなのかもしれない、相談したり連絡取り合って近況報告する密な友達ってどうしたら出会えるのかと思ったことがあります。あと真織、圭子も良いキャラで、圭子が1番まともかな。全員何かしらの問題や過去を持ちながら前を向いて今までとは違う道を踏み出す彼女たちの未来を応援したくなりました。

2018/04/01

hit4papa

本作品は、エリートの独身女子と主婦ブロガー、友達いない彼女たちが、人と人との距離を測りかねて空回りていく様が描かれています。物語は、二人の視点が切り替わって進みます。女心の抉り方が容赦なしですね。著者の作品には、怖い女が登場するものがいくつかあります。一見無垢、しかしながらその心のうちには、寒々しいものを抱えています。本作品にもそんな女子が登場します。読了した時には、快活な柚木麻子節が恋しくなってしまいました。ちなみに、ナイルパーチはスズキの代用品ですから、タイトルが何を示唆しているかは自ずと分かります。

2019/12/01

さてさて

二人の女性が仲良く並ぶ柔らかい絵が表紙に描かれたこの作品。そして『お腹が減るとすぐに共食いをする』という凶暴さを隠し持った『ナイルパーチ』という肉食魚の名前を冠するこの作品。 全くの他人事、作り話などと決して笑い飛ばせないその生々しい内容に、人が生きていくことの怖さと恐ろしさ、そして辛さを感じさせられた究極の一冊。こんな人の狂気に触れる作品は二度と読むものか!と決めた一冊。そして柚木さんの作品を完読するぞ!と決めた一冊でした。

2020/11/08

エドワード

「いつでも連絡して。どんな相談でも聞くよ。」人は気軽に言うよね。大手商社のエリート社員、お嬢様育ちの江利子は、自称ダメ主婦の翔子のブログに夢中になる。翔子が同じ30歳、世田谷区民と知って舞い上がる江利子。早速翔子の家を探し当て、何としても友達になろう!と突っ走る江利子が生態系を破壊するナイルパーチに喩えられる哀しさよ。バーチャルにしろ、リアルにしろ、今の日本人の人間関係の闇にグサリと切り込む鋭さ。「頑張ってもどうにか出来るもんじゃないんだよ、友達だけはさ。」<友情>は柚木麻子さんの永遠のテーマに違いない。

2018/02/23

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