昭和史の10大事件 (文春文庫 み 17-51)
昭和史の10大事件 (文春文庫 み 17-51) / 感想・レビュー
Tetchy
何かの歌詞ではないが、あの日あの時あの場所で起こることで今がある。偶然によって導かれた必然がこの世にはあることを感じさせられる。昭和という時代を10の事件で一連の流れとして読むとそれが実によく解る。2人が殊更に述べているのは歴史は語り継がれることが大事だということ。そして今年平成も幕を閉じようとしている。我々はもうじき平成を振り返るべきだろう。昭和から何を学び、そして教訓として活かしたのか。そして新たに何を生み出したのか。その功罪について検証し、語り継がねばならない。いやあ、実に有意義な読書でした。
2019/02/01
yumiko
実は思っていたのとはちょっと違った。でも違っていたからこそ面白かったし、勉強にもなった。なるほど確かに歴史とは流れで見ていくものなのだ。事件という言葉に捉われることなく、その出来事が歴史の流れの中でどのような位置にあるのか…。それがお二人の軽妙でありながら本質を掴んだ対談ですうっと頭に入ってきた。学校で教えてもらわなかったから、と自らの無知を言い訳しがちな昭和史。この年齢になってそれは流石にもう恥ずかしい。気になるものからでも、少しずつ理解を深めていきたい。昭和史の流れを押さえたい方に是非オススメ♪
2018/03/29
おか
宮部さんと半藤さんの昭和を代表する事件の対談集。半藤さんは昭和5年生まれ そして宮部さんは35年生まれ。昭和15年に結成された大政翼賛会という所謂烏合の衆の政治結社が 東京會舘を接収したという事実と 隣組(トントントンカラリンと?知ってます 笑)青年団や婦人会として その形骸が残っている。そして 現在「アメリカに押し付けられた」と強調されがちな憲法第九条の成り立ちにも触れられている。急ぎ足での語り合いですが 色々考えさせられる事件がチョイスされていて 今後の読書にも繋がっていく縁になった。
2018/09/30
AICHAN
図書館本。歴史探偵の半藤一利さんと宮部みゆきさんの対談。「昭和史の10大事件」なんてタイトルを見ると構えてしまうが、内容はさらさら読めるやらかいものが多い。しかし、昭和史のツボをしっかりと捉えているところはさすが歴史探偵だし推理小説家だ。
2020/01/19
zero1
もうすぐ平成が終わる今、昭和を振り返るのは意味があること。宮部みゆきと「歴史探偵」半藤一利は高校の先輩後輩。この二人が昭和の事件で対談。宮部が「蒲生邸事件」で描いた二・二六事件の内幕。大政翼賛会と三国同盟。日本人に東京裁判ができたか?広田弘毅の処刑は妥当?「憲法九条は押しつけ」という意見に半藤は不戦条約(1928)を根拠として反論している。他にも金閣寺焼失やゴジラと第五福竜丸の意味、水俣病などの公害と安保闘争。宮崎勤事件に怒る宮部など情報満載。すぐに忘れてしまう日本人に、もっと読まれていい本だと思う。
2019/01/26
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