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コンビニ人間 (文春文庫 む 16-1)

コンビニ人間 (文春文庫 む 16-1)

コンビニ人間 (文春文庫 む 16-1)

作家
村田沙耶香
出版社
文藝春秋
発売日
2018-09-04
ISBN
9784167911300
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コンビニ人間 (文春文庫 む 16-1) / 感想・レビュー

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W-G

仕事の移動の合間に。著者の作品は『消滅世界』に次いで二作目。この流れで読むと、性の捉え方に対するひねくれというか、こじれてる感を強く感じるが、他の作品はどうなのだろうか。頁数も少なく、軽めの文章でさらっと読めるものの、割と重たい要素を含んだ内容…になるのか、全部の問題が”私”の中で完結しているから、実際は特に何事もない日常の話と捉えていいのか。現代社会の見えづらい一面を鋭く突いているのか、それっぽい風味なだけなのか、イマイチ消化出来ていないけれども面白いのはたしか。

2019/03/15

ehirano1

このような読書体験はなかなか無いというか、むしろ初めてかもしれないと思いました。遠慮なく言えば、何もかもが歪でした。実はヒロインの普通ではない姿勢にはある意味プロフェッショナルを感じなくはないのですが、「自分の体はコンビニのためにある」という件は、ドイツ第三帝国で健康診断が制度化され、その理由が「ドイツ国民の体(≒健康)は総統のため」というのとなんだか似ているなぁと。小説は時代を反映するとはいいますが、これはちとコワイですね。

2023/09/05

しんごろ

恵子さんのコンビニ愛を超越したコンビニ愛を強く感じがしましたね。たとえおかしいと思われたって、いいじゃないの。まあ、ちょっとぶっ飛んだところはあるけどね。ひとつのことに没頭できることはいいことだね。それに比べて白羽は理屈ばかり並べて何もできない典型的にダメな奴。救いようがない。ユカリの旦那も好きではないな。白羽、ユカリの旦那を反面教師にして、これから仕事やプライベートにいかしたいですね。

2019/03/31

さてさて

白羽という存在の登場で、18年間も勤め続ける『コンビニエンスストア』での『普通』の日常を送る恵子の人生が大きく揺れ動いていく様を見るこの作品。『普通』という言葉の頻出に、私たち読者それぞれが信じる『普通』というものの有り様が揺れ動くのも感じるこの作品。『普通』という言葉に、ある意味思考することを放棄してしまっている私たちの生き様にこそ問題があるのではないか、そんな問いを突きつけられるこの作品。『普通』という言葉に対する村田さんの問いかけに、自身が信じる『普通』という感覚が揺らぐのを感じた納得の作品でした。

2022/12/10

かんた

普通でない主人公によって相対化された、普通を自認する人々の方にむしろ興味が湧いた。コンビニと違って世間にはマニュアルがない。それ故、人々は普通という幻想を創り出し、マニュアルの代わりにしているのではないだろうか。標準化されたものに心地よさを感じる点は、主人公もそれ以外の人々も同じように思えた。 巻末の解説は秀逸。多様化が進むほど普通がより強く求められる近年の現象は本当に不思議。いろいろと考えさせられる作品だった。

2021/09/27

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