KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

十二人の死にたい子どもたち (文春文庫 う 36-1)

十二人の死にたい子どもたち (文春文庫 う 36-1)

十二人の死にたい子どもたち (文春文庫 う 36-1)

作家
冲方丁
出版社
文藝春秋
発売日
2018-10-06
ISBN
9784167911508
amazonで購入する Kindle版を購入する

十二人の死にたい子どもたち (文春文庫 う 36-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

bunmei

読む前は、学校現場のいじめを批判的に取り扱う内容かと・・・。しかし、読み進めるとそうでもなく、サイトを介して集った12人の自殺願望の子ども達による、わずか数時間の物語。死を望み、病院跡地に集まったことに意味を見いだそうとする内容。そこに、既にベッドの上に横たわる一人の子どもの死体が絡み、それぞれの心の探り合いが始まり、各々の生い立ちやここに至る経緯が明らかになる中での謎解きゲーム。非常に練られた構成である分、登場人物や状況が複雑でイメージするのが難しかった。途中から最後のオチは何となく予測できました。。

2018/11/09

ehirano1

タイトルからして「十二人の怒れる男」や「12人の優しい日本人」が思い出されるのですが、本作は子供達が主役ということで興味を持ちました。自殺を願望しながらもその実、やけに生に拘っている描写には失笑や矛盾を感じましたが、実はこれが胆だったと思い知らされ感服しました。

2023/06/23

そる

衝撃的。死にたい子供たちの集いに予定人数より1人多く集まっている。そこからこの人は誰?殺されたの?これでも実行するの?殺されたなら理由は?みんなの死にたい理由が分かれば分かるんじゃ⋯で話し合いをしていって出した結論がまた衝撃だし死にたい理由も皆衝撃。そしてただのミステリーではなく、心に残るものがある話でした。「「(前略)一人一人はきっと間違ってないんだ。(中略)でも、全く違う考え方を持つ人達と一緒に真剣に考えることで、違った結論になることもあるんじゃないかな。今日ここでみんなが経験したみたいに」」

2019/01/16

夜間飛行

子供達のいう「大きな選択」の意味がよくわからなかったが、一人でも反対がいれば実行(死)を先送りするという取り決めは納得できる。一人を尊重するというルールに何となくこの小説の企図があるように思った。目的である集団死よりも前に「待つ」という選択肢と話し合いを置くこと…それくらいしか人間にはできないともいえるし、それが大事ともいえる。さらに謎の死体(13人目=意思を表せない人)の参入により、選択の主体そのものが問われている。私自身もいつしか彼らと一緒になって、「大きな選択」を為し得るかどうかについて考えていた。

2018/12/09

s-kozy

息子(中3)からの借り本。インターネットのサイトを通じて廃病院に集まった12人の少年少女。彼ら彼女らの目的は安楽な「集団自殺」。しかし、決行するはずの部屋のベッドには13人目となる少年の死体があった。想定外の出来事に12人は議論を始める。彼らは当初の予定通り「実行」するのか?中高生くらいの子が読むと面白いのかな。

2018/11/20

感想・レビューをもっと見る