ギブ・ミー・ア・チャンス (文春文庫 お 56-4)
ギブ・ミー・ア・チャンス (文春文庫 お 56-4) / 感想・レビュー
そる
これは良かった!登場人物達が嘘偽りない本音語るとこが等身大の人間臭くて、荻原浩さんの話は好き。短編集ですが統一テーマ、夢はあるけどくすぶったりうまくいかなかったりしている様を描いてて、転機訪れたところまでしか描いてない。その後どうなったかは読者の想像まかせ。気になるなぁ笑。みんな頑張ってて、私も大きな夢なぞないけど小さくても希望持って生きてこうと思った。「金のために描いているんじゃない。好きだからというほどもう青くもない。自分のいちばんの、唯一と言っていい人にはない能力を、他人に認めてもらいたいだけだ。」
2024/04/28
mura_ユル活動
「世間にはまだだれのものか決まっていないチャンスがたくさんころがっている」。荻原さん、6冊目。笑いたかったから手に取った。短編全8編。皆、夢を持って頑張っているストーリー。最初の編で笑うことができなかったのだけれど、「冬燕ひとり旅」からは荻原さんならではのこみ上げる笑いに楽しんだ。一番は「冬燕ひとり旅」かなあ。前に拝読した。「母恋旅鳥」に似て。歌手で演歌ものは苦労が多く、涙を誘う。どの物語にもふっと心が温かくなるシーンがある。登場人物が飾らないところが好み。作家自らのあと描(えが)きもよかった。
2020/09/22
馨
夢に向かって頑張る主人公たちの短編集。皆狭き門でも、別の職種でも最終的になりたい形に向かって一所懸命。傍から見ても、難し世界だと思うような仕事でも望みをかけている姿に勇気づけられました。巻末の荻原さんの絵が良い。ストーリーのイメージを全く崩しておらず見ただけでシーンが蘇って来ました。『アテンション・プリーズ・ミー』が1番好きです。人を見た目で判断してはいけないと再確認出来ました。
2018/11/23
ふじさん
ドジぽさが際立つ私立探偵の元相撲取り玉登、売れないドさ周りの演歌歌手の琴路、漫画家を目指すなかなか芽の出ないアニメのアシスタントの恭介、空のCAを辞め、鉄道の客室乗務員となった真椰子、思わぬきっかけでゆるキャラのぬいぐるみを着ることなった相沢、タレントを目指すが光るものがなく恵まれない人生を送る姫美花、芸人を夢見てひたすらにネタを書き続けるるフリーターの木下等、不器用で諦めの悪い人々が、新たな人生を模索する。人生の喜怒哀楽がユーモア溢れる文章で綴られる。人にとっての幸せとは何か、改めて考えさせられる。
2022/11/28
おかむー
夢と希望に満ちていたあの頃、それから月日が過ぎた今…どうしてこうなってしまったのか。思うようにいかない人生を生きる8人の男女を描いた短編集。『よくできました』。うだつのあがらないひとびとのやるせない日々ではあるけれど、コミカルな文章がままならない彼らの姿を微笑ましく見せてくれている。どの物語も最後に現状から一歩踏み出すところまでで、その結末までが描かれることはない。彼らがその先に成功しているとは限らない、さらになんともならない状況になることも想像はできる。それでも彼らには“やらなかった後悔”はないのだ。
2018/10/21
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