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天下人の茶 (文春文庫 い 100-2)

天下人の茶 (文春文庫 い 100-2)

天下人の茶 (文春文庫 い 100-2)

作家
伊東潤
出版社
文藝春秋
発売日
2018-12-04
ISBN
9784167911898
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天下人の茶 (文春文庫 い 100-2) / 感想・レビュー

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三代目 びあだいまおう

史実と新説をない交ぜにした作品は我々を虜にする。後に茶聖と称される千利休、晩年まるで気が狂ったかの振る舞いに固執する天下人秀吉に切腹を命じられ、後世に語り継がれる程の潔き自決を遂げた。前半は弟子達が語る逸話、有名な史実。そして後半には歴史好きが叫び狂う程の驚愕の『新』説が!タイトルが示唆する捻りに『歴史の真実』に触れたかのような鳥肌モノの興奮を我々は覚えるだろう!影の天下人、この存在の思惑と謀略は読み手にとってまさに真実。恐るべきリーダビリティへの戦きと『侘び』の普及に秘め隠した真の目的に脳が沸く‼️🙇

2019/12/23

岡本

本能寺の変、千利休陰謀説。千利休の弟子達である利休七哲から見た尊師を描いた短編集。それぞれの視点で描かれているので利休の様々な面が垣間見える。短編集とは言っても全てが利休についての話なので長編を読んでいる様な気分に。秀吉晩年期の謎の一つである利休への切腹命令。正確な一次資料が無い事から著者によって全く異なるキャラクターになる利休だが、謀略担当でここまで政治的な利休も珍しい。

2019/04/12

優希

面白かったです。千利休が何故死を命じられ、秀吉とはどのような関係だったのかを、高弟によって語っています。本能寺の変や秀吉の天下統一もあり、戦国時代の空気感を感じ、ドキドキさせられました。千利休が天下人を通じて広めた茶道の心は今現在も継承されていますね。

2021/03/13

ユメ

利休の人物像をどう解釈するかは、本当に作家の色が出て面白い。本書では利休を秀吉さえ意のままに操る存在として描く。茶の湯を政治に利用しようとする秀吉、政治を動かして世の中を精神的に支配しようとする利休。権力と文化の男女の愛憎のようにどろどろともつれて溶け合う関係が、静謐な茶室で繰り広げられるのが恐ろしい。秀吉とは対照的に、利休は形あるものは残さなかった。むしろそれゆえに彼は今なお人の心を波立たせる。奇道を行った人生は凡人には理解しがたいからこそ、利休は人に恐怖を抱かせると同時に人を惹きつけるのかもしれない。

2019/02/09

katherine

堺の商家に生まれ、侘び茶を大成した千利休。利休の弟子たちの生き様を通して、少しずつ利休の目指しているもの、思想観が明らかになっていく。信長と秀吉の二代に渡り、政治を利用し変質させながら茶の湯を広めた謀略家としての利休に魅力を感じた。

2020/10/07

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