映画狂乱日記 本音を申せば12 (文春文庫 こ 6-38)
映画狂乱日記 本音を申せば12 (文春文庫 こ 6-38) / 感想・レビュー
浅香山三郎
『人生は五十一から』以来18冊目のコラムの文庫化。それらを全部よんで来たことになる。毎回のコラムの長さは、400字詰め原稿用紙8枚半程度だが、映画で言へば、ある女優や監督、又はあるテーマを、過不足なく丁度収めるそのうまさはさすがである。前も小林さんの本の感想で書いたが、私は映画を余り見ないのに映画を見た気になつてしまふのだ。そして、戦争体験者として、いま安倍政権をだう見るかといふことも、しつかり書いてくれてゐるのも、またよい。
2019/06/17
Inzaghico (Etsuko Oshita)
『人生は五十一から』から付き合い始めてかれこれ18冊目(18年目)。これを読まないと新年が来た気がしない。 小林がいつも嘆いているのがシネコン。シネコンだと事前に座席を予約しなければならないし、ふらりと好きなときに出入りできないのが厭なのだそうだ。これだけはわたしと正反対。わたしは最初から最後まできちんと観たいし、席も好きなところで観たい。そのためには、事前に予約するという手間暇はかける価値があると思っている。これは世代の差なんだろうか。
2019/01/05
やいとや
この年は、角川の特集上映と山内マリコの影響もあり、若尾文子の年だったが、江波杏子の美しさにハッとした年でもあった(若尾文子と共演の「退社時間」)。芝山幹郎の解説が実によい。ので、言うことなし。
2019/03/10
まこみや
小林さんの映画評は、長い間にわたって自分の目で見て、肌で知った職人的実感に基づく感想である。膨大な蓄積を背景にしたその直感を僕は信用する。同時に、時折挿入される、現政府に対する反感と怒りについても深く同意する。「二〇一五年の日本はアベという暴君に支配され、マスコミの自由が抑圧されている。民主主義なんて物ではない。真実の報道はなされない。真の指導者というものもいない。」今や状況はもっと酷いものになっている。
2019/04/02
絶間之助
私は小林信彦の小説(唐獅子株式会社とか)は読んだことがありますが、こうした日記風のエッセイを読むのは初めて。2015年週刊文春に掲載されたものですが、映画については古い話が多くて私にはピンときませんでした。小林は昭和ヒトケタ生まれ、私の親の世代ですからそんなものかな。アメリカ映画をダメにしたのはスピルバーグだそうです。最近は日本映画が良くて「海街diary 」や安藤サクラをとても褒めていました。若尾文子、丹波哲郎、そして意外にも大瀧詠一を書いたところも面白かった。硬骨漢で、安倍政権への批判も痛烈でした。
2022/01/20
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