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フランダースの帽子 (文春文庫 な 44-6)

フランダースの帽子 (文春文庫 な 44-6)

フランダースの帽子 (文春文庫 な 44-6)

作家
長野まゆみ
出版社
文藝春秋
発売日
2019-02-08
ISBN
9784167912246
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フランダースの帽子 (文春文庫 な 44-6) / 感想・レビュー

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優希

不思議な感覚に陥りました。実在の場に繋がりつつも、不確かな「絆」が描かれています。人は皆、どこかで何かしらの嘘をついて暮らしていたのですね。おぼろげながら浮かび上がる物語が美しいです。

2019/04/16

エドワード

ある日届いた今は亡き弟あての手紙が30年前の小学生の頃を呼び覚ます。年子の弟、塾で知り合った友達、壁に貼ったポンペイの写真。美術を学ぶ高校生の私が描いた「フランダースの帽子」、交流展で売れ、行先不明だった絵との数奇な再会。「かみのふね」読書会。雲の事務所という名の老人ホーム。誰もがつく何気ないウソ。ほんのちょっと自分を印象づけたくて脚色する、たわいもないウソ。最後にえっ?となる、懐かしく、ほろ苦い読書の快楽。外国の人名地名の妄想の遊び。うん、確かにそうだったな。カイロは神の思し召し、シャンゼリゼは極楽だ。

2019/02/21

冬見

長野まゆみだからこそ成立する話だなあと思った。初期の幻想を軸にした物語から徐々に現実世界へ向かいながらも、物語にはなお幻想の空気が漂う。この人の持っている幻想の力はとても強くて、どんどんそちらへ引っ張られてしまう。いつもはそれで良い。そういう物語だから。けれどこの作品は、そうなんだろうな、とぼんやり納得させられかけた瞬間に、ぱちんとしゃぼん玉が弾けるように現実を見せてくる。驚いている間に幕は降り、やられた、と立ち尽くす。そうして笑ってしまう。わたしは、この人の見せるウソが大好きなのだ。

2019/02/12

たけはる

「たくらみに満ちた短編集」ということで、誰かが誰かに成り代わっていたり、偽っていたりと、ちゃんと考えながら読まないと少し混乱しました(それこそが本書の醍醐味でもある)。作中では、「ノヴァスコシアの雲」が一番長野さんらしいなあとにんまり(オチが)。あの老婦人になら騙されてみたい。 「シャンゼリゼで」の読書会、参加してみたいなあ。

2019/04/06

芙蓉

短編集。読んでいるうちにいつの間にか現実から1、2歩くらい離れたところに連れていかれる様な読後感「少年アリス」とか「あめふらし」「左近の桜」などよりは現実寄り(しかしこの現実は白昼夢なのかもしれない)

2020/02/10

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