「つなみ」の子どもたち 作文に書かれなかった物語 (文春文庫 も 30-1)
「つなみ」の子どもたち 作文に書かれなかった物語 (文春文庫 も 30-1) / 感想・レビュー
rico
被災した子ども達の作文を集めた「つなみ」、その中の6人と昭和の三陸大津波の作文を書いた女性に焦点をあてる。被災者と丁寧に信頼関係を築いた筆者だからこそ、知り得た実相。総じて書くことで救われ家族ともども前を向くきっかけになっているようだけど、一方様々な心の傷を負い立ち上がれない人々がいる現実。今年の3.11は、あの頃子どもだった青年が故郷のために頑張る姿を特集する報道を多く見かけた。あの日から13年。新たに造成された居住地。そして福島。人の暮らしは簡単には戻らない。「復興工事」は終わったのかもしれないけど。
2024/03/12
saga
2013年に『つなみ 被災地の子どもたちの作文集』を読了していた。書店で偶然目にした本書。少しだけ語られる内容に不安を抱きながら購入。当時作文を書いた子ども達の取材過程を知ることができて良かった。増補では、被災地へ8年間通った森氏に入るSOSが語られる。荒れる子、自死を選んでしまった子、職を失った親の閉塞感、詐欺の標的にされた被災者……すべてがやるせない。震災から10年が経過し、一区切りついた矢先のコロナ禍。被災地、被災者の復興が停滞してしまう焦燥感を抱きながら読了。
2021/08/19
hatayan
東日本大震災で被災した児童生徒が体験を記した作文集『つなみ』の舞台裏を明かす一冊。 見たままの様子を素直に綴る子どもの文章は国内だけでなく海外にも反響を及ぼしました。 終章では、被災から8年経った現地の様子を報告。住まいや仕事への不安を募らせる毎日は決して平坦ではありませんでした。作文を書いた2011年に高校生だった子は二児の父に。つなみの子は親になりました。 津波の被害を受けやすい低地に住宅が建ったのは漁師が高台に移るのを嫌がっただけでなく高度成長により土地が不足した事情もあったことなどが説明されます。
2019/12/29
小豆姫
巨大津波が街を呑み込んでゆくテレビの映像を思い出しただけで胸が押し潰されそうに苦しくなるから、東日本大震災関連本は避けてきてしまった。ああ、そんな自分が情けない。これは子どもたちの作文なので読んでみた。あまりに大きな悲しみにふたをすればいつか溢れ吹き出してしまうから、言葉にして残すことで思いが伝わり広がってゆくのだ。子どもは希望。辛い現実のなか、みんなちゃんと明日を見てる。
2019/03/25
マク
記録
2019/04/24
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