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東京會舘とわたし 上 旧館 (文春文庫 つ 18-5)

東京會舘とわたし 上 旧館 (文春文庫 つ 18-5)

東京會舘とわたし 上 旧館 (文春文庫 つ 18-5)

作家
辻村深月
出版社
文藝春秋
発売日
2019-09-03
ISBN
9784167913427
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東京會舘とわたし 上 旧館 (文春文庫 つ 18-5) / 感想・レビュー

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さてさて

この国の歴史に刻まれた人々の生き様を目にしてきた建物にまつわる物語。激動の歴史を生きてきた場所、『東京會舘』の物語です。五つの短編は、そのそれぞれの時代を必死に生きた主人公たちの物語が描かれます。『東京會舘』の『歴史を下敷きとしたフィクション』として見事に描かれたこの作品。どこか近寄りがたいと感じていたその荘厳な建物の背景に、建物を支え続けてきたたくさんの人たちの熱い想い。そして、”人が華やぐ「味」と「おもてなし」をこれまでも これからも”という言葉の裏に流れる人のぬくもりを強く感じた、そんな作品でした。

2021/03/22

のり

東京會舘にとって決して順風満帆とは言えない船出だった。関東大震災・第二次世界大戦を経て改修や接収。苦しく厳しい時でも會舘の人達は違った。職場に対して敬意をはらい、来舘した全ての人に対し真摯に対応する姿には尊敬の念を覚える。東京會舘が人を育て、人が東京會舘を支える。愛されるのは当然と思える。下巻へ。

2020/08/20

エドワード

私が子供だった昭和40年代の暮らしは、畳に卓袱台、味噌と醤油、饅頭と煎餅という和風一辺倒だった。日本人の生活に西洋のものが溶け込んでいく源がここに鮮やかに描かれている。今も丸の内にある東京會舘。冒頭の祝辞「東京會舘の目的は我が庶民の社交化、社交の民衆化にある」が全てを語る。クラシック音楽の演奏会、フレンチレストラン、バーで供されるカクテル。荘厳な建物に庶民は非日常の驚きを堪能したことだろう。「ご家庭にフランス料理の美味しさをお裾分けできるお菓子を作りたいのです」との涙ぐましい努力が印象的だ。下巻に続く。

2019/09/14

佐々陽太朗(K.Tsubota)

まるでタイムスリップして東京會舘に足を踏み入れたかのような錯覚に陥る。「灯火管制の下で」が良い。「しあわせな味の記憶」も。「ガトー」「ガトーアナナ」「プティフール」「パピヨン」どの菓子も食べてみたい。とりあえず東京會舘のオンラインショップで「プティフール」を買ってしまった。(^^ゞ

2019/10/04

mura_ユル活動

創業の大正期から昭和30年代。物語の舞台は東京丸の内、東京會舘。人々の喜怒哀楽ドラマ。連作短編。世の中がめぐるましく変わる時代、関東大地震、戦争期、戦後GHQ接収、解除その後、東京オリンピック。戦乱前後の東京の人々の様子もわかる。それぞれの物語は、帝劇の演奏家、結婚式、バーテンダー、理容師、菓子職人、それぞれの人生と會舘への想い、建物に声掛ける、愛を感じる。ミルクのグッドモーニング・フィズは飲んでみたい。震災復興費用の半分は清水組。日本愛。下巻へ。

2021/11/16

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