アンソロジー 隠す (文春文庫 し 34-51)
アンソロジー 隠す (文春文庫 し 34-51) / 感想・レビュー
シナモン
図書館本。女性作家による「隠す」をテーマにした短編集。近藤史恵さん目当てで借りた。タイトルは「甘い生活」だが、じわ~っと怖かった。近藤さんの作品は心温まるようなのしか知らなかったのでちょっとびっくり。他には松村比呂美さんの「水彩画」が印象に残った。どの物語にも共通してある隠しアイテムが登場するのも面白い。あとがきで「アミの会(仮)」なる女性作家さんの集まりも初めて知った。いろんな発見があった短編集。第一、第二弾も読んでみたいですね。
2019/12/25
タイ子
アミの会(仮)、今回は内11人によるアンソロジー。どれをとっても面白い。それぞれの物語の中で出てくる隠すモノ、隠したい物、隠さなければいけない者。新津さんの「骨になるまで」が好き。亡くなった祖母の過去を調べていくうちに家族の知らない切ない真実にほろり。青春あり、ミステリあり、家族愛あり、隠すものがある限り、そこに物語がある。そして、全編に共通の「なにか」が隠されているのも一興。読み進めるうちにわかってくるという趣向も面白い。
2021/09/19
ごみごみ
先日読んだ「捨てる」同様アミの会(仮)のメンバーによる「隠す」がテーマのアンソロジー11作品。誰もが隠しごとを心に秘めている。動機、恋心、狂気、ミス・・一番怖かったのは近藤史恵さんの「甘い生活」やっぱり人の物は隠しちゃいけない。さらに全ての作品に隠されているのは・・
2021/06/01
野のこ
「アミの会(仮)」の女性作家さん同士が仲が良くて楽しそうな雰囲気が好き。本編とは関係ないけどあとがきのごはん会や飲み会にまた反応してしまいました(笑)今回のテーマ「隠す」。一度は読んだことのある作家さんが多くて嬉しいと思いつつ時間がなくて、数作しか読めず。本命の近藤史恵さんの『甘い生活』少女の内面のさすが!という描写に引き込めれハラハラしつつ最後はじわじわ怖かった。ドルチェヴィータのボールペンは検索。柴田よしきさんは安定の面白さでした。
2020/02/17
しーちゃん
「隠す」なんてテーマ、もう不穏なイメージしかない。傷害事件を起こした容疑者が絶対に明らかにしない動機、最後に明らかになるが、その理由は圧巻。祖母が亡くなった後に判明した隠し子。もし私なら、この主人公のような行動が取れただろうか。どの作品も30ページ程だが、ホラー、ファンタジー、それぞれ個性的で楽しめた。初めてお目にかかる作者を知る、こんな短編集も良い。私ならサプライズ的な隠し事ならいつでも大歓迎だけど。
2023/03/08
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