煽動者 上 (文春文庫 テ 11-39)
煽動者 上 (文春文庫 テ 11-39) / 感想・レビュー
Tetchy
本書の脅威は暴動、いやパニックと化した集団だ。正気を失った人々は恰も1つの生き物のように動き出す。それは秩序だったものではなく、我先にと自分の命を、安全を確保するためならば他人の命をも、文字通り踏みにじってまで助かろうとする執着心が、理性を奪い、獣へと変えさせる。DNAに刻み込まれた生存本能が人を変える。今回の敵「煽動者」は人間の群集心理を利用してパニックを引き起こして不特定多数の人間を死に至らしめ、一生背負う疵を負わせることに喜びを見出している。ハレの場が惨状に変わるパニックの恐ろしさを思い知らされる。
2020/05/14
chiseiok
ディーヴァー文庫化、今年はキャサリン・ダンスのターン。個人的な12月の読書プランとして3日に『夏への扉』読み始め、クリスマス近くなったら『その雪と血を』読もうと思ってた。で、当初はパスか後回しにしようかなぁとも思ったけれど、『陰陽師』や『IWGP』同様もはやルーティンになっていて惰性でずるずると…。今回の"未詳"はそこそこキャラが立っていてページは繰り進むけれど、ダンスの今彼ボーリングと前彼(仮)オニールの間で悩むロマンス展開の描写が物語のスピード感を削いでないかい?う〜ん下巻で満足させてくれるかなあ…。
2019/12/07
み
避難を伴うパニック、怖いです。実際、そんな状況になったらどうなるんだろ?コロナのトイペ問題も煽動されたようなもん?下巻に進みます。
2020/04/04
mayumi
キャサリン・ダンスシリーズ。今回は、パニックを誘い、それで人を殺すというもの。自分はパニックにならないぞーと思っていても、いざその場面に遭遇したら、冷静でいられるか自信はない。群集心理は恐ろしい…。
2019/12/17
ゆーぼー
群衆をパニックに陥らせ、大惨事を発生させることを、何よりも好む未詳アンティオック・マーチは屑野郎だが、高知能で用心深いという、最も厄介な犯罪者だ。 このタイプの犯罪追求こそ、キャサリン・ダンスの出番なのだが、ある出来事で彼女は刑事部から民事部に左遷されてしまった。 物事をややこしくすることが大好きなディーヴァーだが、そこが大好きな私には、とても面白い。 犯人の矛先がダンスにも向けられた今、下巻での展開が楽しみだ。
2020/01/17
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