殺し屋、やってます。 (文春文庫 い 89-2)
殺し屋、やってます。 (文春文庫 い 89-2) / 感想・レビュー
ナルピーチ
経営コンサルタントと殺し屋の二足の草鞋を履く男…その男の名は“富澤允”。そんな彼が請け負った仕事を7話の短編集として読ませる本書。単に殺し屋としての描写だけでなく、ミステリー仕立てに謎を解いていくのも面白い。まさに現代版“必殺仕事人”狙った獲物は逃さないのだ!物語の構成も各話ごとにしっかりとパターンを変えて飽きることなく読む事ができる。特に最終話、依頼人からのターゲットはまさかの自分自身!?この仕事、どう請け負う?石持先生、また面白いシリーズを描いてくれてありがとうございました!
2023/05/31
いこ
主役は、経営コンサルタントの富澤。裏の顔は殺し屋である。引き受けた依頼は、二週間以内で実にスマートに実行してしまう。本書で、この殺人シーンよりも多くの頁が割かれているのが、謎解きのシーンだ。殺される人それぞれに小さな謎があり、それをも富澤は鮮やかに解き明かす。なぜか水筒だけを公園で洗う女性。独身なのに子供用紙オムツを買う男性。吸血鬼に殺されたい女性。等々。驚きは、ラストで富沢自身を殺してくれとの依頼が来る。こんな連作7編。謎が解かれるとすっきりする。殺人という重いテーマを扱いながら、読後感は軽やかである。
2021/09/08
Kazuko Ohta
「死んでいい人間なんていないんだ」と佐藤健くんは言っていましたが、こんなふうにいとも簡単に殺し屋の手にかかる人もいる。映画『AVA/エヴァ』ではジェシカ・チャステイン演じる殺し屋が、ターゲット殺害前に「あなたはいったい何をしたの?」と尋ねていました。殺し屋にこれはご法度だそうで、本書では殺害後にターゲットが消された理由を殺し屋が考える。ここに登場するターゲットは、それこそ死ななきゃいけないほどの悪人とは思えず、軽さがなんとも不気味。自分がもし殺されるとしたら、その理由は知っておきたいなぁ。続編も読むけど。
2021/11/06
涼
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/12/post-472ef8.html 依頼人と殺し屋の間には二人いるので、双方互いに知り合うことはないのです。リスク回避ですね。
2022/12/06
annzuhime
本業は経営コンサルタント、副業は殺し屋。依頼人とは直接繋がらず、間に仲介者が2人。殺す動機を知らされないままターゲットを見張ると、何やら気になる事が…。殺し屋の日常ミステリ。ゆるゆるとした雰囲気の中できちんと謎解き。そしてちゃんと殺してる。殺し屋としての仕事よりも謎解きがメインのお話。あっさりと読めるけどキャラが好きなので面白かった。でも殺し屋との結婚を真剣に考える彼女のことがかなり不思議で気になる。
2020/09/07
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