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サイレンス (文春文庫 あ 80-1)

サイレンス (文春文庫 あ 80-1)

サイレンス (文春文庫 あ 80-1)

作家
秋吉理香子
出版社
文藝春秋
発売日
2020-01-04
ISBN
9784167914240
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サイレンス (文春文庫 あ 80-1) / 感想・レビュー

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ナルピーチ

都会から離れた“島”を舞台に、婚約者を連れて久しぶりに帰郷した“深雪”。懐かしい家族や友人達と束の間の再会を喜んでいた。ところが、祝宴の席で婚約者のある秘密が暴露されてしまい話は思わぬ展開へと向かっていくのだが…。思ったよりもサラッと読める軽めのイヤミス?な一冊。“都会”と“過疎地”での暮らしの対比を見せながら、本質ともなるサスペンスを上手く組み込んでる。本書の中でも島おこしに取組む描写があるが、実際に過疎化が進む島や村では現実的に抱える大きな問題。どうか“しまたま様”のご加護がありますように。

2022/07/23

machi☺︎︎゛

島育ちで東京に憧れていた深雪は進学を機に上京する。そして、何年か後婚約者と共に島を訪れた。しかしその島にはしまたまさんと言う島の神様がいて婚約者はしまたまさんに認められなかったのか。突如婚約者は行方不明になってしまう。離島ならではの孤独感と雪の本当の怖さ、一番怖かったのは人の心の奥にある怖さ。夏の描写もどこか寒々しく感じられる一冊だった。

2020/10/17

のり

婚約者と共に故郷の離島に帰省した彼女を待ち受けていた運命…東京とかけ離れた田舎の風習・親戚付き合い。戸惑う彼に追い討ちをかける事実が暴かれる。「しまたま」さんを信仰する島民達の暗黙の了解。スーツとスマホが示すのは…愛する者を護るために仮面の下に悪意をしのばせる。次にくる冬にもまた表にでない悲劇が起こる予感。

2020/06/03

JKD

不気味な話だった。雪之島で育った深雪は都会に憧れ上京。そこで生粋の都会人俊亜貴と出会い婚約挨拶で無理やり島に連れて帰る。そこは本家とか分家とか、堅苦しく根付いた因習やお約束事がありプライバシーもデリカシーもない世界。困惑する二人にやがて俊亜貴の秘密が暴露され俊亜貴は失踪。島を出たい深雪と島から出したくない島民たちとの静かな駆け引きが深雪以外の視点でも描かれていて不気味さ倍増でした。

2020/01/19

かぷち

新潟沖の孤島で生まれ育った深雪は幼い頃からアイドルに憧れ、島を出る事を夢見ていた。長じて東京で働き始め、恋人と共に里帰りを果たすが… 氷のような冷たい情念に満ちたサスペンス。と書くと横溝正史の作品のような、隔絶された田舎のどす黒い悪意と狂気を連想するかもしれないが、決してそんなことはなく、何処にでもある平凡な日常や笑顔に満ちた生活が淡々とした軽いタッチで描かれている。けど何かが違う、喉に小骨が刺さったような違和感。静かな静かな物語、まさにサイレンス。全ては読者の想像に委ねられる。

2024/01/16

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